昨年の冬、ある警備用ヘリコプターを見て憧れを抱いた男性が南アフリカにいた。以来、ヘリコプターを作成することに没頭。そのニュースが国内に流れると、彼は自身の「空を飛ぶ」という夢まで叶えてしまったのだ。
南アフリカ・東ケープ州から職を求めて、北西州・ルステンブルクへとやってきたブシムジ・ンバタさん(35)。しかし彼は仕事が決まらず無職の日々を送っていた。
ルステンブルクは鉱山が多く、毎年賃上げ要求のストライキが起こる。2012年には34名が死亡するという事態が発生し、それ以降はストライキの時期になると警備会社が厳戒態勢の中で警戒を行っている。
昨年1月にその警備用ヘリコプターを見たンバタさんは大層気に入り、以来ヘリコプターを作ることに没頭した。少しずつパーツを買い、また廃棄金属を拾い集めては組み立てていった。
ヘリコプターの内部はテレビや無線機が搭載され、夜でも飛行できるように緑と赤のライトが尾翼に設置されている。エンジンはガソリン使用で、プロペラを動かすのはバイクのバッテリーという。回転翼を支えているのはジュースを入れる木枠、操縦幹はなんとプレイステーションのコントローラーだ。飛ぶかは疑問だが、見た目はヘリコプターに近い。
この情熱の詰まったヘリコプターのニュースが話題になると、モデルとなったヘリコプターの所有者である警備会社からオファーが来た。「うちのヘリコプターを見て彼の情熱が始まったなら、飛ぶという彼の夢を叶えたい」としてンバタさんに警備用ヘリコプターに乗ってもらい、実際の景色を見てもらおうというものだった。そして6月24日、ついに彼は憧れのヘリコプターに乗り空の旅を楽しんだ。
さらに航空産業会社もサポートを申し出た。ンバタさんが高校を中退しているため、ライセンスに必要な英語やその他の教育を提供するという。ンバタさんはヘリコプターを作る技術者を希望しており、まずは基礎学力を身につける必要があるそうだ。
※ 画像はnews24.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)