アメリカでは銃が絡む凶悪事件が起きるたびに、「徹底的に銃をなくさない限りこの町に平和は来ない」と議論されるものだが、犯罪が増えているような土地でそれはまったくの夢物語。このほどオハイオ州シンシナティで…。
オハイオ州シンシナティで26日夜8時ごろ、38口径の拳銃を隠し持っていた男が複数回発砲し、一般市民3名が被弾するという事件が起きた。ターゲットにされた男性が自身の拳銃ですぐに撃ち返したことから犯人の動きはやや鈍くなったものの、口論を激化させての安易な発砲であったという。
シンシナティ警察署の発表によれば、最初に銃を発砲したのはトーマス・マッカリーという62歳の男。ジーネタ・ウォーカーさんという女性と口論になり、銃口はウォーカーさんと一緒にいてマッカリーに威圧的な態度をとった彼女の兄パトリック・ユーイングさんに向けられた。幸いにもユーイングさんは被弾せず、彼も隠し持っていた拳銃を取り出してマッカリーの脚に向け一発。するとマッカリーは2丁めの拳銃を取り出し、さらに発砲を続け、ウォーカーさんと彼女の1歳の息子、さらに一般人男性の計3人に重傷を負わせた。
自らも脚を撃たれてシンシナティ大学メディカル・センターに運ばれ、手当てを受けたマッカリーは治療が終わるとともに逮捕となり、さっそくハミルトン郡拘置所に身柄を送られた。なおユーイングさんは正式な拳銃の携帯許可証を持っており、この事件において罪に問われることはない。州の法律次第ではあるが、こうした事件が市民レベルで起きるたびに、アメリカでは「許可証を申請して“常に”銃を携帯したい」と考える人が増加するとみられている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)