発砲しなければならないような事態が頻繁に直面するアメリカの警察官。日頃から射撃訓練はもちろんのこと、発砲の必要性を瞬時に正しく見極める能力を磨いていることであろう。なぜなら安易でお粗末な発砲により、こんなアクシデントが発生することもあるのだ。
米オハイオ州でこのほど、ひき逃げ事故の処理にあたっていた警察官が拳銃を暴発させ、4歳の少女に重傷を負わせていたことがわかった。警察官が銃口を向けた先は、彼の前に立ちはだかり執拗に吠えていた犬。しかし銃弾はその奥に立っていた幼い少女の脚に命中したのだ。
少女はすぐに救急車で病院に搬送されたが、救急車を呼んだのは警察官ではなくなんと現場近くの住民であった。オハイオ州警察の広報担当者はこの事件に関し、「犬が警察官に攻撃する構えを見せたため、やむなく発砲したものです。銃弾が犬ではなく少女に当たったことは全くの偶然でした」などと釈明している。だが現場にいた目撃者のゲイリー・パースリーさんは地元メディアの取材に対し、怒りを込めてこう語っている。
「警察官が犬に銃口を向けた際、飼い主の女性は“なぜうちの犬にそんな恐ろしいことを”と抗議しましたが、彼は引き金を引いてしまいました。その銃弾は娘さんの脚に命中し、母親の怒りは絶頂に達したのです。警察官は体も大きくテーザー銃だって持っていたでしょうに、あの状況でなぜ発砲する必要があったのか私には理解できません。」
警察官としてそもそもの資質を問いたくなるような事件は世界各国で頻発している。南アフリカでは今年1月、警察官が「泣き止まないと撃つぞ」と銃を構えて3歳児を威嚇。また5月には、警察官が何気なく置いた拳銃で1歳児が遊ぶという信じがたいアクシデントが発生していた。人の命をいとも簡単に奪う拳銃を身につけていることの重い責任を忘れて欲しくないものである。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)