ハワイで当初は2日に予定されていた、米航空宇宙局(NASA) による「空飛ぶ円盤」実験機のテスト飛行。天候不良につき3日も中止となり、さらに順延となったことが伝えられている。
強風が吹き荒れ波が高いハワイの天候に、テスト飛行の延期が決まった“空飛ぶ円盤”こと『低密度超音速減速機 (Low-Density Supersonic Decelerator 通称:LDSD)』。その円盤はNASAが新開発の超音速パラシュートほか最新テクノロジーが満載の大変高価なシロモノで、劣悪な条件の下で万が一破損でもさせたら大変なことになるためだ。
この円盤の重量は3,088kg。巨大な気球に乗せられ上昇し、さらに噴射により地上約37kmの高さにまで飛ばされ、これまでで最大のサイズだという直径30mの「超音速リングセール・パラシュート(Supersonic Ringsail Parachute)」が開き、円盤が太平洋に向かってゆっくりと降下するようであれば実験は成功だという。昨年6月にハワイのカウアイ島で行われた最初の実験では、パラシュートが膨らまず微塵と化していたことから、最新のものについては決して破けない強靭さが求められている。
NASAは「バイキング計画」として1976年に火星に2機の無人探査機を送り込んだが、宇宙船の理想の形状だとして円盤型の飛行物体の開発に至ったことに、世界のUFOファンの胸は大きく高鳴っている。人間、食料、生活物資を載せた大型の宇宙船による火星への有人飛行。これを2030年代までに実現するよう、カリフォルニア州パサデナにあるNASAの「ジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)」には大きな期待が寄せられている。
なお、このたびの実験は12日に予定されており、円盤に取り付けられたカメラから送られてくる映像はライブ配信されるという。
※ 画像はiflscience.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)