田んぼならぬ工場で“製造”された米。見た目は米のようでもある。だがその正体はイモとプラスチック。またしても中国における信じ難い食品偽装問題が伝えられている。
「この米はニセものです」と謳われているのであれば、蝋細工のように商品見本として使用することもできる。だが『ibtimes.com』が伝えているところによれば、中国・山西省の太原市で広く出回っているこの商品は非常にタチが悪い。ジャガイモ、サツマイモになんと合成樹脂を混ぜて米そっくりに作られており、その目的は人々に米だと信じて食べてもらうことにあるというのだ。
インターネットを通じてそうした米が中国から輸入されているという噂が巷で流れていることに、このほどシンガポールの「農産物・家畜庁(Agri-Food and Veterinary Authority of Singapore)」は、「“プラスチック米”は入ってきていません。我々は輸入米の定期的な検査をしっかりと行っており、そのような粗悪な輸入食品が市場に出回ることはありません」と説明するなど消費者の不安の払拭に努めている。
ただしマレーシアの「農業・農業関連産業省(Ministry of Agriculture and Agro-Based Industry)」は、「そうしたニセ米が流入しているという情報はありません。また仮に輸入されたとしても、ターゲットは大規模な食料品販売店ではなく個人の小さな食料品店やレストランでしょう」と回答しており、シンガポール当局が見せるほどの緊迫感はなぜか感じられない。
噂によれば、そのニセ米はインド、インドネシア、ベトナムにも輸出されたとある。輸入食品に対する水際対策が甘い国においては、安いことを売りにしているレストランなどでこうしたニセ米が提供される可能性は否定できないようだ。ただし専門家は「ニセ米は加熱しても硬いまま」と言い、食べる段階で異変に気付きやすいことを指摘している。
※ 画像はibtimes.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)