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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】妊娠中の鎮痛剤使用は慎重に。男の子だと将来こんな病気を発症する危険性が。(英)

非常に身近な薬といえる解熱鎮痛剤アセトアミノフェンだが、妊娠中の服用にはくれぐれも注意して頂きたい。胎児が男の子である場合、これを常用していると将来的にいくつかの病気を発症させる危険性があるという。

米医学誌『サイエンス・トランスレーショナル・メディスン(Science Translational Medicine)』に、男の子を妊娠している女性がアセトアミノフェン(鎮痛剤の一種)を常用することの危険性について発表したのは、スコットランドにある「エディンバラ大学」のロッド・ミッチェル博士率いる研究チーム。極力抑えながらの使用であれば妊娠中にも比較的安全と言われてきたこの薬も、胎内の男の子の精巣で生産される“テストステロン”という男性ホルモンの分泌が妨げられるなど、それなりの影響があることが判明したというのだ。

実験は、妊娠しているマウスにつき1日3回アセトアミノフェンを与えるグループとそうでないグループに分けて観察がなされた。すると1週間後、アセトアミノフェンを与えられたグループの胎内のオスのマウスにおいて、テストステロンの分泌量がそうでない赤ちゃんに比べて45%も減少してしまったという。ミッチェル博士は、これを人間にあてはめればその男の子は将来的に不妊症(精子の数が少ない、元気がないなど)、精巣ガン、停留睾丸を引き起こす可能性があると指摘した。テストステロンは男性ならではの器官について非常に重要な役目を果たしている。

妊娠中のアセトアミノフェンの服用については、副作用として動脈管収縮のリスクがあることが報じられて産婦人科学会で大きな話題となっていたが、非ステロイド性抗炎症薬「NSAIDs」は妊娠期間の全般において使用が禁じられており、危険性と効果を天秤にかけた場合はアセトアミノフェンがもっとも優れた鎮痛剤であると評価されてきた。痛みというのは時に耐え難いものであり、ミッチェル博士も頻繁でなければアセトアミノフェンの服用は仕方ないとしているが、その安全性に“絶対”はないことを強調。特に妊娠初期の服用には十分注意してほしいそうだ。

※ 画像はsundayworld.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)