ギーシ、ギーシ、ギーシ。隣人宅から連日響いてくるその音は、あまりにも不愉快なものであった…!? カナダで先月、ロッキングチェアを愛する高齢者に罰金刑が下されて物議を醸していた。
カナダ・ケベック州のサグネ警察署に先月17日、91歳の女性が立てる騒音に我慢がならないとの通報が近隣住民より飛び込んだ。警察はその高齢女性に対し、治安紊乱および迷惑行為があったとして日本円にして17,800円ほどの罰金刑を言い渡し、「ここは人にやさしい福祉の国ではなかったのか」と波紋が広がっていた。
警察官に、「そのロッキングチェアを揺らす音は私たちから平和な暮らしを奪っています。また、テレビのとんでもない音量には我慢の限界です」などと不満をぶつけた隣人たち。聴力が衰えている超高齢者は多く、本人には迷惑を与えているという自覚は乏しい。弁護士も罰に値するような事例ではないと警察に陳情を続け、このほどやっとその罰金刑は取り下げられた。
だがその「音が外に漏れてうるさい」という隣人からの苦情は、大切な警告と受け止めることもできる。空き巣ならぬ侵入窃盗(居直り強盗)犯は高率で高齢者宅を狙っているというデータがあり、その目印となるのが近隣に響き渡るほどのテレビの大音量。在宅のため玄関の鍵が開いていることも多く、たとえ気づかれたとしても高齢ゆえ追いかける力はない。こうして日本でも本人が気づかないまま寝室のタンスや仏壇の付近が荒らされる事件はあとを絶たないのだ。ご近所同士、これからは助け合いの精神で仲良くやっていってほしいものである。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)