アフリカの文化として、墓地は非常に神聖な場所である。しかし故人を偲ぶための墓が、行政担当者により荒らされるという苦情が毎日のように「振興と文化、宗教や言語コミュニティの権利の保護のための委員会(The Commission for the Promotion and Protection of the Rights of Cultural, Religious and Linguistic Communities)」に届いているのだ。
墓を荒らされる被害を受けたのは、墓石が買えない貧困層の人々。ダーバンにある小さな行政区エテクワニでは、「埋葬して10年経つと墓の土地賃貸料を払わなければならない」「埋葬から10年経っても墓石を設置しない場合、墓の土地は第三者に譲渡される」というルールが存在する。行政からすると、墓石を10年間も設置しないことは故人を忘れているとみなすそうだ。
「家族のお墓にいつの間にか知らない人が埋葬されていた」「お墓に埋葬準備のための墓穴が掘られていた」といった遺族からの苦情が、毎日のように委員会に届いているという。
ダーバンの自治体は現在、新たに墓を建てるスペース不足もあり墓地にふさわしい土地を探しているが、一方で「利用可能な土地は住宅にすべきだ」という意見もある。しかし委員会は「アフリカには土地がたくさんある。貧しい人々の文化を重んじる気持ちを軽視してはならないことが大切だ」とコメントしている。
※ 画像はcitizen.co.zaのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)