アメリカで不気味な繁殖を続けている淡水魚、“アジアン・カープ”をご存じであろうか。なかなか獰猛で生態系にも影響が出ており、このほどボートが襲われてしまった。米CNNで公開されたその動画が注目を集めている。
米・中南部の川を中心に大変なペースで繁殖している中国原産の淡水魚“アジアン・カープ(コイ科)”。藻を食べてくれることから湖の水質改善のために各地で10~20年前に導入されたものが洪水をきっかけに川に広がりを見せ、当然ながらほかの淡水魚は弱い順に棲めなくなり、いまやアジアン・カープが川を独り占めするに至っているという。
こちらは10日にYouTubeに投稿された、米メディア『CNN』も紹介したその時の映像。ミズーリ州にあるクレーヴクール湖でシアトルの「ワシントン州立大学」漕艇部の新人部員らが練習していたところ、アジアン・カープが群れをなして猛攻撃を開始した。撮影者は3年生のベンジャミン・ローゼンバウムさん(21)である。翌日にはイリノイ州セントチャールズでレースが控えていたが、そのイリノイ州こそアジアン・カープの一大繁殖地となってしまっている。
ちなみに「鯉のぼり」の由来は“コイは滝を登り龍になった”という中国の伝説だが、このアジアン・カープも3メートルのジャンプ力を持っているそうだ。そして実はなかなか美味でもあるとのこと。加工されたものをアジア諸国が喜んで“逆輸入”してくれるほか、米国内でもひき肉料理にすれば受け入れられるようになっているため、新たなビジネスとして意外な期待がかかっているという。
※ 画像はstltoday.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)