道端で息も絶え絶えという人を見かけても、無視して通り過ぎることが多いなどと言われている中国の人々。このほどその“知らん顔”が災いし、大事な母親を亡くした男性が中国・安徽省にいた。
『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』が伝えているところによれば、「知らん顔をしてしまったことが悔やまれてならない」と涙を流しているのは中国・安徽省の蕪湖市南陵県に暮らす男性(名前などは明らかにされず)。彼は先週、車を運転中に道端に倒れて血まみれで苦しんでいる高齢の女性を発見したが、人の気配がないことから「ヘタに近づけば自分がはねたと勘違いされる」と考え、無視して通り過ぎてしまったという。
だがその後、ふと不吉な予感に襲われた男性は念のため母親が暮らす家を訪ねることに。そこに母の姿はなく、あわてて道を引き返した男性は瀕死の女性が自分の母親であったことを知り、緊急通報。警察がその女性をはねたとみられるドライバーを逮捕したが、すでに手遅れの状態であった母親は病院に搬送後、死亡が確認された。
中国に限らず多くの国で、こうしたケースにおける人命救助はなかなか進まないのが現状である。人々はその重要さを認識しているものの、事故・事件への関与を疑われることを嫌がり、敢えて無視する傾向が強いためだ。国土が広い国で監視カメラをまんべんなく設置することは困難であり、交通事故や当たり屋事故が多発しているロシアでは、市民が自らの立場を守るために車にダッシュボードカメラを搭載するようになっている。
※ 画像はscmp.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)