米テキサス州の有名酪農ブランド「Blue Bell」が、人気アイスクリームの大量リコールを発表した。発症すると死ぬこともある「リステリア症」がカンザス州で発生したためだ。
米テキサス州ブレナムを本拠地に全米展開する「Blue Bell Creameries」社。100年以上の歴史を誇る信頼のブランドが同社の「Blue Bell」アイスクリームが原因とみられる「リステリア症」が確認されたとして、このほど大々的なリコールを発表。畜産業界にも波紋を広げている。
米・食品医薬品局(FDA)が発表したところによれば、カンザス州の病院で同社のアイスクリームを食べたという5名の患者がリステリア症につき治療を受けているが、そのうち3名が死亡。米・疾病予防管理センター(CDC)に持ち込まれたサンプルを調べた結果、同社のミルクシェイクやアイスクリームからリステリア菌が検出され、生産工場での汚染経路の調査が開始されている。「Blue Bell」商品はすでに店舗から姿を消しているが、家庭の冷凍庫に買い置きしてある分についても廃棄するよう呼び掛けられている。
米国では毎年数百名の死者を出しているこのリステリア症。食べ物を通じて感染するもので潜伏期間は数時間~3週間ほど。悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛が初発症状で胃腸症状は人によりけりであるため、インフルエンザと勘違いされるうちに髄膜炎や敗血症に進行した場合、患者の10%が死亡するという恐ろしい病である。今回の5名の患者はいずれもカンザス州ウィチタの「Via Christi Hospital St. Francis」という大病院に入院あるいは通院していた患者で、院内で購入した「Blue Bell」ブランドの乳製品から感染した可能性も指摘されている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)