先月28日のこと、オクラホマ州エドモンドに住む11歳のジュルネ・ウッダードさんは、半年に1回の定期検診のため歯科医院を訪れた。だが、そこで発見されたのは口腔の問題ではなかった。歯科医は彼女の目が黄ばんでいること指摘、それを受けたジュルネさんが別の病院で検査を受けた結果、膵臓に潜むグレープフルーツ大の腫瘍が発覚したのだ。
歯の定期健診でジュルネさんの目に黄疸の症状が現れていることを指摘したのは、歯科医のマイケル・チャンドラー氏であった。
目の中に現れる黄疸は、臓器に何らかの異常がある場合に出現することが多い。そのためマイケル医師はジュルネさんと彼女の母親に、「すぐにでも専門の病院で診察を受けた方がいい」と告げたのだった。
実はジュルネさん、今回の歯科検診以前から軽い吐き気や頻発するげっぷに見舞われていたという。このこともあり何らかの兆候である可能性が高いことから、ジュルネさんは今月2日に病院に出向いた。そこで血液検査及びMRI検査が行われた結果、彼女の膵臓にグレープフルーツほどの大きさの腫瘍が見つかったのだ。
その症状は予想以上に進行していた。6日に摘出手術が行われたが、手術室から出るまで約9時間もかかったという。術後のジュルネさんの経過は良好で、12日には自宅に戻ることができるほどであった。
今回の件を報じた『ワシントン・ポスト』紙によると、歯科医が患者の顔や口を観察することで病の初期症状を発見することは珍しいことではないそうだ。過去には高血圧やHIV感染、糖尿病などが発覚した例があるという。
ジュルネさんの母親は、腫瘍を発見するきっかけを作ったマイケル医師に感謝の意を示しており、「この先、何があっても担当歯科医はチャンドラー先生だけにお願いするつもりでいます」と話している。
※ 画像はwashingtonpost.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)