清潔感第一と謳うシンガポールで、このほどタバコの吸い殻をポイッと捨てたことにより、異例ともいえる186万円もの罰金を支払うよう命じられた男がいた。何がそんなに当局を怒らせたのであろうか。
シンガポールでタバコの吸い殻、ガム、痰や唾、そしてゴミ…こうしたものをうかつにペッ、あるいはポイッとやろうものならすぐに罰金刑をくらうとはよく聞く話である。だがそれは観光客やビジネスマンが訪れる地区だけの話という説もある。実際はどうなのか気になっていたところ、シンガポールの環境省(National Environment Agency)から興味深いニュースが発信されたもようだ。
それによれば、シンガポール警察はこのたび喫煙者である38歳の男に1万9800シンガポールドル(約186万円)の罰金を支払うように命じたとのこと。環境省もそれを「かつてない金額です」と認めている。何事にも罰金を処する国ではあるが、その内訳はいったいどうなっているのか。
その男はタバコの吸い殻を高層アパートの窓から外に向かって投げ捨てていた。監視カメラにより確認されたその数は33本。そして国民の8~9割が「HDB」と呼ばれる高層の公団アパートに暮らしているシンガポールでは、窓から何かを放る行為を厳しく罰している。その罰が加わってタバコ1本あたりの罰金が600シンガポールドル(約5万6400円)となり、33をかけたのだという。男はほかにも社会奉仕活動に5時間参加する義務があるそうだ。
ちなみにシンガポールではドラッグを海外から持ち込んだ場合、それが友好国の国民であっても数年前までは死刑になったほど。ドラッグ関連の取り締まり、刑罰の厳しさは世界屈指である。また旅行客が失敗しやすいのは移動中、つまり乗り物の中での飲食。水のボトルを飲むのでさえ場所に気を付けなければならない。警察官や監視員ばかりか数百台の監視カメラがそうした行為を見張っているそうだ。
※ 画像はsamaa.tvのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)