エジプトの歴史を学ぶ上で、教科書で必ず紹介されてきた「ツタンカーメン王の黄金のデスマスク」。その特徴的なあごひげが、人為的ミスであっけなく取れていたことがわかった。修復も雑だとして波紋を広げている。
ツタンカーメン王の墓の最高の出土品のひとつとして、エジプトが世界に誇る「ツタンカーメン王の黄金のデスマスク」。スフィンクス、ピラミッドなどとともに世界の人々を惹きつけてきたカイロの『エジプト考古学博物館』でも圧倒的な存在感を誇るこのデスマスクが、とんだアクシデントに見舞われていたことが発覚した。
19歳で早世した古代エジプトの君主、ツタンカーメンのためにこしらえられた黄金に輝くデスマスクは、1922年にイギリスの考古学者が王の墓からほぼ無傷の状態で発見していた。青いあごひげが特徴であったが、このほど博物館で展示品の定期クリーニングにあたった業者が手元を狂わせ、そのあごひげを折ってしまったという。
あわてて補修されたが、あまり丁寧な作業ではなかったもよう。展示場を訪れた人々がその最新写真を撮影してSNSに投稿しているが、使用されたのはマスクの材質上ふさわしいとは言えないエポキシ樹脂系接着剤で、はみ出た分はスパチュラでぐるりとかきとられている。「雑ですがなんとかくっ付けました」といったそのデスマスクに、古代エジプトの歴史を愛してやまない人々、世界各国の専門家が強い憤りを示している。
※ 画像はrt.com/newsのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)