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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】マラリアを媒介する殺虫剤耐性スーパーモスキート2種、西アフリカで確認。

このたびのエボラ出血熱のアウトブレークをもたらした西アフリカ。そこに暮らす人々に、また新たな試練が降りかかる可能性が出て来た。マラリアを媒介するとして知られる蚊たちが、従来の殺虫剤への耐性を示すようになっているというのだ。

重篤な感染症の媒介者となる蚊などの害虫は殺虫剤を使って駆除するに限る。しかし人体に与える影響を考慮し、その安全性を優先させるとこれ以上強力な殺虫剤を生産することは難しいとも言われている。そんな中、マラリアの流行をもたらす可能性が高いものの、国際的な安全基準に則った従来の殺虫剤では駆除できない蚊が西アフリカで確認された。

米カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)の感染症と昆虫の関係を調査し続けてきた研究チームは、今月6日付け発行の『米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)』に、「西アフリカのマリ共和国でどのような殺虫剤にも耐性をみせるハイブリッドなスーパーモスキートが2種類現れた」と発表した。マラリアは人が「マラリア原虫」という寄生虫に感染することで発症するが、それを媒介するのは蚊。有名なハマダラカは殺虫剤および殺虫剤を含ませた特殊な蚊帳による駆除が可能で、WHO(世界保健機関)も世界のマラリアによる死は2000年以降半減していると発表している。だがこのハマダラカも、いずれは殺虫剤への耐性をみせるようになるそうだ。

殺虫剤の進化や遺伝子組み換え技術などとイタチごっこの闘いを続ける中で、ますますタフになり、耐性を強めている害虫たち。大豆やトウモロコシなどに遺伝子組み換え食品が誕生して約20年になるが、その理念が根本から揺らぐような事態も起きている。これまでコントロールできていた「ネキリムシ」というトウモロコシの害虫は、すでに殺虫タンパク質への耐性を見せるようになっているという。

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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)