低所得者層を意識して偽造された嗜好品が、出回っては犯人も特定できないまま処分となることを繰り返すイギリス。このたびはアルコールから排泄物の成分が検出され、波紋を広げている。
「これらの酒は不純で衛生上もきわめて危険。エシェリヒア属大腸菌が検出された原因として、尿と大便が含まれていると考えられます」。こんな警告とともに多数のアルコールのボトルが撤収されたのは、イングランド北西部の沿岸の町ブラックプールにある成人向け総合レジャー施設の『Coral Island』。そこで「スミノフ」、あるいは「ジャックダニエル」のラベルが貼られて販売されていたアルコールのボトルから、排泄物の成分が検出されたのであった。
これにより、ブラックプール出身のニコラス・スチュワート(35)という男が逮捕され、このたび行われた裁判で検察側は「ウイスキーをベースに水を加え、さらに本物とたがわぬ黄色や琥珀色を出すため尿や便が加えられた」と主張。スチュワートも容疑を認めて懲役70日、執行猶予12か月の判決が言い渡された。しかし検察側は、数々の余罪があるスチュワートについて再犯の可能性があると判断。この男を社会的迷惑行為防止命令(Anti-Social Behaviour Order)で裁く方法がないかを模索するとしている。
なお昨年11月にお伝えしていたが、イギリスではブラックマーケットばかりかタクシー会社の事務所、くじや賭け事をするベティングショップ、パブなどで販売されている安値のタバコの葉から人間およびネズミの便の成分が検出されていた。粗悪タバコは正規販売の商品を脅かすブラックマーケットの人気商品であり、脱税額もさることながらタバコメーカーの売り上げに与えるダメージは甚大。取り締まればそれを嘲るかのようにまた新たな商品が並ぶという現状に、英・地方自治体協議会(Local Government Association)も頭を抱えてしまっている。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)