ルーマニア北東部のある町が大揺れである。家族の女性を次々と殺害して食べた猟奇殺人犯の男が、拘置所から身柄を解き放たれたのだ。男の「商売あがったりだ! 早く自宅に戻してくれ。仕事をしなければならない」との陳情が通ったという。
ルーマニア北東の町ラダウツィで今年4月、自動車整備工場経営者のVasile Lavric(60)という男が、“カニバリズム(人肉嗜食)”のため妻を殺害してその肉を食べたとして逮捕、起訴された。しかしこのほど保釈が決まり、拘置所から解き放たれ自宅周辺を出歩くその姿に、近隣住民たちは「なぜあんな恐ろしいことをする人間を社会に戻すのか」と身震いしているという。
Lavricは妻のNicoletaさんを2005年に殺して食べ、調理で余った部分を裏庭に捨てた疑いがもたれているが、検察庁は妻の両親の証言をもとに、行方不明となっていたNicoletaさんの妹Iulianaさん(当時18歳)とRamona Lordacheさん(当時19歳)についても殺害して食べた可能性が高いとみて追訴。LavricはRamonaさんが13歳の時から性的関係を持っていたことを認めており、2人の間には男児も誕生していた。
証拠や目撃者さえ揃えば有罪判決は確実という中、もっとも重要な遺体が食べられてしまったことから裁判の準備がなかなか進まない検察側。そんな中で拘置所生活が続いていたLavricの、「あの整備工場はどうなるんだ。このままでは商売あがったりだ」との不満に裁判所が理解を示した形だ。仮釈放や保護観察期間中の者には電子タグなどを用いた24時間の行動監視がなされるものだが、ルーマニアの経済情勢ではそれを準備する余裕がないとして、Lavricには夜間外出禁止、自宅滞在との条件が示され、違反対策としては警察官がぬきうちで訪問するのみだという。
※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)