カリフォルニア州で今年6月に発覚していた、父親とその交際相手による幼い子供への虐待。食べ物を与えられず、子供たちは衰弱しきって「ゾンビのように見えた」という。注目の裁判がこのほど行われたが、子供たちの心身状態はきわめて深刻であるようだ。
陪審員らにより有罪との評決に至ったその裁判は、カリフォルニア州南部のサンバーナーディーノ郡ヴィクターヴィルで今年6月に発覚した、父親とその交際相手の女による幼児虐待行為を裁いたものであった。子供たちの存在が邪魔だったと言わんばかりに虐待を繰り返したその男女。幼い子供たちは、心理的要素が強く影響する「精神社会的小人症」を発症しているという。
被告人は子供たちの父親であるエリック・オースティン・フローレス(30)と、その交際相手であるマリア・リタ・サグ(23)。フローレスは実子である4、6、7歳の子供たちに対してサグとともにせっかんを繰り返し、食べ物を与えず育児放棄していた中、「Marinello School of Beauty」という学校の職員から、虐待を思わせる痩せ衰えた子供たちがいるとの通報が関係当局に入った。検察側によれば、職員は子供たちのことを「強制収容所を命からがら生き延びたものの、まるでゾンビのような雰囲気だった」と表現したという。
診断したロマリンダ大学のマーク・マッシ医師によれば、7歳の長男については学校給食を食べていたというが、6歳の次男と4歳の長女は長期にわたる飢餓のせいで衰弱がひどく、さらにこの長女は、フローレスから性的暴行を受けていたことも確認された。フローレスとサグには懲役20年の実刑判決が言い渡されたが、この子たちの一生続くであろう心理的な苦しみを心配する声は多い。
「精神社会的小人症」とは、親との心理的関係の著しい悪化により子どもの心身に深刻な変化や発育の遅れが生じるというもの。しばしば成長ホルモンの分泌が少なくなるため、身長が伸びなくなり、筋力が低下するなどの様々な問題が出てくる。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)