writer : maki

【エンタがビタミン♪】博多大吉が涙した現状が浮き彫りに。“消費税10%”の意識調査に様々な意見。

先日放送されたテレビ番組で地方から東京へ出稼ぎに来る人々の暮らしぶりを見て、お笑い芸人の博多大吉が涙ながらに「VTR止めてください…見てられない」と口にした場面があった。来年10月に向けて再増税が検討される中、ネットで「消費税の10%への引き上げをどう思う?」というアンケートをとったところ「すべきではない」との意見が多かった。今回の調査では様々なコメントが寄せられたが、「低所得者事を考えて欲しい」といった内容からは大吉が耐え切れなかった実態が広がっていることが見えてくる。

10月31日に放送された『有吉ジャポン』(TBS系)では、地方から東京へ出稼ぎに来る人々の暮らしぶりに密着した。熊本から上京しているタクシー運転手は息子さんが大学を受験する学費のために出稼ぎしているという。タクシー会社の寮で暮らして、寝る間も惜しんで働き、食費を切り詰めて仕送りをしながら、息子さんの入学祝を貯金する。彼と同世代となる博多大吉はそのVTRを見て「同い年なので、他人事じゃない。今日は、芸人としての仕事ができないと思う、切なすぎます」と涙ぐんでいた。

福島から出稼ぎして、やはりタクシーの運転手をしている53歳の男性に密着した時には、会社の寮で“2リットルで1500円”のローコストな焼酎を飲む姿があった。福島で暮らす妻と娘に少しでも多く仕送りをするために居酒屋などにはいかずにその焼酎が楽しみなのだ。ただ、彼が久々に帰省した時には迎えに来た妻との会話も少なく、自宅では娘さんも口を聞かず、家族の団欒は感じられなかった。その光景に、大吉は思わず「VTR止めてください、もう見てられない」と声を上げていた。

番組が放送された頃にYahoo!ニュースが「消費税10%へ引き上げ」について意識調査を行った。出稼ぎしている人たちには辛い増税となることが推測されるが、アンケート調査の結果は次のようになっている。

■「消費税の10%への引き上げをどう思う?」

・予定通り来年10月に10%へ引き上げてよい : 16.1%(28,145票)

・来年10月ではなく、時期を1年程度遅らせてから10%に引き上げてほしい : 5.6%(9,779票)

・来年10月ではなく、(時期は決められないが)景気がよくなるのを待って10%に引き上げてほしい : 26.3%(46,072票)

・社会保障財源は大事だが消費増税以外の方法で確保すべきだ : 40.6%(71,097票)

・社会保障財源が不足しても消費増税はすべきではない : 11.4%(19,812票)

(Yahoo!ニュース 意識調査調べ 対象は17万4,905人 実施期間:2014年10月21日~2014年10月31日)

回答者からは243件に及ぶコメントが寄せられているが、やはり“増税すべきではない”という主旨が目立つ。その中に「月に6万円ちょっとの収入で生活をしている人達の事を考えてほしい!」という意見があった。諸事情で短い時間のアルバイトと、障害年金による収入しかない中で、「月に6万円ちょっとの生活は物凄く厳しいです。そして、辛いです」「消費税が10%になったら、全く生活をする事が出来ない!」と訴えている。

その他にも「収入が増えないのに取られるものばかり増えていく。正社員になりたくても正社員になることすらできない」、「消費増税+インフレ何とかしてくれ~、日用品がかなり高くなって困っている」、「電気料金も税金も値上げしか頭にないから腹立ちます」など切実な内容が見られる。

全般的に多いのが「今まで社会保障のために何回消費税を上げてきたのでしょう。消費税上げて法人税下げてなんにもなってない」、「5%→8%の消費増税分は、全て法人減税でチャラになっている。社会保障費にも、国債赤字にもあてがわれていない」など、消費税の増税が有効に使われていないとの主旨だ。

テレビニュースで放送されるインタビューでは消費税増税について「社会保障のためには仕方が無い」と答える人も少なからずおり、バラエティ番組では芸能人が「計算がめんどうだから消費税8%よりも早く10%になって欲しい」と発言したこともある。しかし、メディアからの情報が全てではないのでより広く目を向けることが必要だろう。

11月4日には消費税を10%に再増税するかを判断するための景気点検会合が始まり、初日から参加した有識者8人のうち3人が反対。賛成派も「景気や低所得者対策と組み合わせた上で」と条件を付けるなど、見極めが難しい状況となっている。今後の展開に注目したい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)