「犬(猫・鳥)のアレルギーがある」という人がたまにいる。だが立場が変われば見方も変わるもの。実はペットとして飼われている犬が、時にヒト・アレルギーを発症することもあるようだ。
米インディアナ州でこのほど、黒のラブラドール犬がヒト・アレルギーを発症したことが伝えられ、愛犬家らに強いショックを与えている。この画像はインディアナポリスにある『Lucky Dog Retreat Rescue』という犬のレスキューセンターが伝えたニュースのスクリーンショット。ヒト・アレルギーにより全身に強いダメージを負ってしまったのは“アダム”くん。写真からも衰弱した体や、あちこちの皮膚のただれと脱毛が確認できる。
数か月にわたりアダムを診察したのは、獣医のロビン・ハーマン先生。「最高品質といわれるドッグフードを与え、ノミを除去し、体を清潔に保つと体調はやや改善しましたが、皮膚症状がどうしても治りませんでした。何らかの感染症を疑っても血液検査の結果は合点が行かないことだらけ。そんな中でたどりついたのは、アダムがヒト・アレルギーを起こしているのではないかという推測でした」と話す。
他の獣医には笑われたが、ハーマン先生は確信をもってその検査を進め、たとえばヒトが皮膚を掻いた時にポロポロと剥がれ落ちる落屑や、頭皮からのフケ、毛髪などにひどいアレルギー反応を起こすことをつきとめた。このままでは人間との同居は難しく、そうなれば殺処分を待つだけとなる。そこでハーマン先生は、ごく微量のアレルゲン(この場合はヒトの蛋白質)を少しずつ定期的に注射してアレルギー体質を克服していく「減感作療法」を行うことを決断。新しい飼い主に安心してアダムを委ねられる日はきっと来ると信じ、長期戦を覚悟の上で治療に専念していくという。
※ 画像はldrrescue.orgのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)