海外発!Breaking News

writer : flynn

【海外発!Breaking News】「義足のランナー」ピストリウス被告、いよいよ量刑決定へ。(南ア)

両足義足のランナー、オスカー・ピストリウス被告の判決が13日よりプレトリアの高等裁判所で始まった。有罪判決の後、懲罰がすぐに下されると思われたが、その量刑を決める裁判が現在行われている。裁判での一週間の出来事をまとめてみた。

ガールフレンドであったリーバ・スティンカンプさん殺害について、計画的殺人に関しては無罪となったものの、過失致死で有罪となったオスカー・ピストリウス被告。今月13日から話し合われているのは、量刑をどうするかということだ。

特に、「ピストリウス被告は健常者と同じ刑務所で過ごせるか」ということが焦点となった。矯正局委員会は、「南アフリカの刑務所は、ギャングが取り仕切っているようなものだ」と裁判で認めている。さらにピストリウス被告の弁護士によると、「囚人の中には、ピストリウス被告が入所したら殺すと公言してはばからない者もいる」と証言。保護観察官は、「刑務所に入れば被告は非常に狙われやすい。レイプされてHIVになる可能性もある」と南アフリカの刑務所の実態を公然と暴露した。

しかも10月16日午後からの裁判には、闇のボスで自他共に認める“殺し屋”マイキー・シュルツ(Mikey Schultz)が登場、ピストリウスファミリーがいつも座っている場所に陣取った。被告に対する誹謗中傷を叫び出すシュルツに、ピストリウス被告の妹は泣き出し、兄が警察に助けを求めてようやく出て行くという一幕もあった。

また、この裁判でピストリウス被告は過去19か月にわたり、被害者遺族に毎月6000ランド(約5万7900円)を渡していたことが分かった。リーバさんの死後、両親は精神的苦痛で仕事ができず金銭的に困っていたのだ。これに対して遺族の弁護士は「当初はお金を必要としていたが、今は返金する余裕がある。リーバさんの母は『血にまみれたお金は要らない。1セント残らず返金する』と言っている」と述べている。ピストリウス被告は自身の車を売却し、その代金37万5千ランド(約360万円)も渡そうとしたがこれは遺族に拒否された。一方で被告はお金の工面に苦労しており、惨劇の舞台となった家を含めほとんどの土地を弁護士費用に充てるため売却している

17日には、検察官と弁護士が量刑についてそれぞれの意見を主張。「被告の不注意な行為がなければ、被害者は今でも生きていた。そのことを考えると少なくとも懲役10年が妥当である」とする検察官に対して、弁護士は「殺害した当初から被告は常に反省し、苦しんでいる。社会奉仕活動を基盤にしたものが良い」と述べた。

ピストリウス被告の量刑は、いよいよ10月21日に言い渡される。

※ 画像はindependent.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)