人気絶頂にありながらハリウッドを去り、モナコ公妃となった“伝説の女優”グレース・ケリーが、公国最大の危機に挑む姿を描いた『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』が、10月18日に公開された。その世紀の結婚の裏にある噂、また主演女優ニコール・キッドマンの思いをご紹介したい。
2014年度カンヌ国際映画祭オープニングを飾った、映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』。まさにそのカンヌでモナコ大公レーニエ3世と出会って恋におちたグレースは、彼のために華々しいキャリアのすべてを捨て話題となった。
しかしグレースとレーニエ3世が初めて出会った1955年当時、モナコは経済的困窮と後継者問題の解決が急務とされていた。実は、05年までモナコはフランスからの保護という名目の支配を受けており、外交・軍事はフランスが責任を持つとし、国交はフランスの事前同意が必要で自由な外交は制限されていた。そして、後継者がいなければモナコはフランスに返還するとされていたのだ。そんな中“モナコの広告塔”としての知名度と美貌、裕福な実家からの持参金、子供を産むための健康な体と最高の条件を兼ね備えていたのがグレース・ケリーだった。
しかしレーニエ公につき、「モナコ再建のための観光地化と客寄せのために、マリリン・モンローと結婚しては?」というアドバイスがあったという噂もあるそうだ。それをレーニエ3世は拒否。マリリン・モンローと対照的な女優で、「資金」「イメージアップ」「後継者」を完璧にクリアしたグレースを選んだとされている。こうしてグレースは、レーニエ公と出会ってから1年足らずで異国の地モナコに嫁ぐことになったのだとか。だがグレースとレーニエ3世の間には確かな愛情があったことは間違いない。本作でグレースを演じたニコール・キッドマンは以下のように語る。
「映画にはフィクションもまざっているけれど、私はあのふたりが深い愛情でつながっていたと信じているわ。」
「ふたりは、お互いを良く知らないまま結婚したのよ。だけど彼女の選択は賢かった。世の中の多くの女性は同じ選択をすると思う。」
「彼女はとても若くしてハリウッドの大スターになり、アカデミー賞も取った。それなのに“仕事はもういい。私は結婚して家族を持ちたい”と決めたのよ。でも私には完全に理解できるわ。私は彼女に魅了されているの。もちろん、世界中が彼女に魅了されているわけだけれども。」
結婚から26年を経てグレース・ケリーは1982年に自動車事故で亡くなったが、レーニエ3世はその後独身を貫いた。
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』では、世紀の“政略結婚”の中で苦悩しながらも愛を深め、愛を貫いたグレースとレーニエ3世の姿が映し出される。本作から、様々な真実の愛の形を感じてみてはいかがだろうか。
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』
10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー。
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(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)