中国のとあるレストランが、食品に思わぬものを混ぜ込んで提供していたことが発覚した。それは中毒性で知られる麻薬の「アヘン」。中毒になった客がまた来店するようにとの狙いからであった。
中国・陝西省のあるレストランで、店主が意図的に麺料理に麻薬のアヘンを混入し、客を中毒にさせようとしていたことが分かった。事件は今月上旬、ある道路で行われていた一斉検問に、Liu Juyouさんという26歳のドライバーが引っかかったことから発覚した。薬物検査で「アヘン」の陽性反応が示され、しかしLiuさんはまったく身に覚えがないと潔白を主張。それと同時にあるレストランで食べた料理の味がおかしかったことを思い出し、家族でそこで食事。改めて薬物検査を受けると、家族からもアヘンの反応が出た次第である。
警察の取り調べ対し、Zhangとだけ名乗ったレストランの店主は「お客さんがうちの料理の中毒になり、また来店してくれればと思ってやった。8月に日本円にして1万円ちょっとで2kgのケシの実を購入し、粉状に砕いて麺類に混ぜ込んだ」と供述したという。ただしその麺料理を1人前食べたところで、ヒトを中毒にさせるほどの含有量ではなかったことも判明。故意にアヘンを混ぜた料理を客に提供する事件は中国では以前から起きていたが、厳罰の対象にはなっていないもようだ。
アヘンと言って思い出すのは、中国の清とイギリスの間で1840年に勃発した「アヘン戦争」である。中国に輸出して大儲けしようというイギリスの企みにより、清では人々が次々にアヘン中毒に陥り、清がアヘンの密輸入と流通の取り締まりにやっきになるとイギリスは戦闘攻撃を開始。こうしてアヘン戦争が始まり、イギリスの勝利により香港島が英領となった。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)