全身の皮膚がウロコのようになり、ボロボロと剥がれ落ちる症状に苦しむ「紅皮症」をご存じであろうか。インドネシアに暮らす、“スネーク・ボーイ”という悲しいあだ名を持つ少年の話題をお伝えしたい。
奇病、難病と闘う人々の中には、高い治療費をまかないたい、あるいは世間にその病気に関する温かい理解を求めたいとしてあえてメディアに自分やわが子の難病をさらし、苦悩を告白する人もいる。このたびはインドネシア・バンテン州タンゲランに暮らす、「紅皮症(=剥脱性皮膚炎)」に苦しんでいるアリ・ウィボウォ君(16)という少年の話題をお伝えしたい。
豪メディア『Daily Mail Australia』に、「僕の皮膚は41時間ごとに剥がれ落ちてしまう」と告白したアリ君。全身の皮膚がウロコのように乾き、水分を補うための1~2時間おきのローション塗布を欠かさない。もしもこれを怠ると全身の皮膚は硬化し、体表面が縮小。こうなると動きが取れなくなるそうだ。「治療法がない」との医師の説明に母親はしばらく悲観にくれていたが、やがてこの子にもどうか普通の人生を送らせたいと望むようになり、本人も気丈に振る舞っている。だが「伝染するかもしれないから」と方々の学校に受け入れを拒まれ、「友達ができないことがとにかく辛い」と話す。おまけにアリ君の母親は、村の人々から迷信に基づいた“妊娠中にトカゲやヘビを殺したのだろう”というデマを流され、ひどく傷ついている。
紅皮症は原因が複数あり、幼少期においてはアトピー性皮膚炎に続発するものが多く、天疱瘡、乾癬、扁平苔癬、薬疹、皮膚の悪性リンパ腫といった病気がもととなっているケースもある。症状は全身におよぶ紅斑とかゆみ、発熱や震えといった体温調節障害、リンパ節腫脹などが現れ、ウロコ状になった皮膚がやがて剥がれ落ちる。治療法は確立していないが、何に続いて発症したものかを見極めた上で内服薬、外用薬の処方、紫外線や電子線の照射療法などが試みられ、入院となるケースもあるという。
※ 画像はmetro.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)