イギリスの人気オーディション番組で透明感あふれる歌声を披露し、世界中の人々を感動させ、2009年11月に『夢やぶれて』で本格デビューを果たした歌手のスーザン・ボイル。彼女が“アスペルガー症候群”と診断されていたことを激白した。
スコットランド生まれで、奇跡の美声によりオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』シーズン3に出場して評判となり、2009年11月に本格CDデビューを果たし、同年12月には『NHK紅白歌合戦』にもゲスト出演した人気女性歌手のスーザン・ボイル(52)。クリスマス・アルバム『Home for Christmas』も発売されたばかりで仕事面では本当に順調だが、このほど英紙『オブザーバー(The Observer)』とのインタビューで、1年ほど前に発達障害のひとつである「アスペルガー症候群」の診断を受けていたことを告白した。
ショービズで活動していく上で、アーティストにはアシスタントやマネージャーとのマメな連絡やプロモーションへの積極的な姿勢が求められるが、スーザンにはアイコンタクトが得意ではない、見知らぬ人とすぐに打ち解けることができない、腹の底から笑うことがない、ちょっとした言葉にも過剰に反応してしまう、緊張や不安に満ちた状況に耐えられないなど、人間関係の構築やコミュニケーション能力に問題があったというのだ。
「私はアスペルガー症候群なんですって。これまでのこと全てについてようやく合点がいったという感じね。そのあたりを今後は皆さんが理解してくれると思うと、むしろほっとしているところよ。でもアスペルガー症候群という名前にしばられるつもりはないの。力まず上手にそれと共存していくのみ。気分屋な性格もきちんとコントロールできると思っているわ。」
スコットランドのウェスト・ロージアンの自宅で、猫を可愛がりながら独身を通しているボイル。頑なでこだわりの強い性格から、何年もかかって12ものオーディションを受けた経験については、「歌を聞くまでどうせ皆は私のことなんて笑っているに違いない」と思い込んでおり、行動がスローであったために学校ではひどいいじめを受け、うっかりミスが多いことから学習障害が疑われたこともあったが、アシスタントは「彼女はとても頭がいい」と主張。その通り、診断では医師からIQは平均より高いと告げられたそうだ。
その後はむしろ、自分自身について色々なことを冷静に感じ取れるようになったのであろう。今の彼女は「家事から何から常に皆さんのおかげ。私は孤独では生きていけない」と話し、周囲のサポートへの感謝の気持ちを忘れない。最後には「私がこうして歌を歌うことになったのも、人々をハッピーな気分にさせるという使命があってのことよね」とも語ったスーザンであった。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)