ボクシングの道を究めた強靭な体、そしてアルコールと薬物に依存してしまう弱い精神。マイク・タイソンは今、自分自身のアンバランスな心身、人生についてひたすら後悔の念を抱いている。どうしてもやめられなかった深酒のせいで「死の淵に立っている」というのだ。
世界の誰もが知っているマイク・タイソンというその名。ボクシングのヘビー級王者となり、国際ボクシング殿堂やWWE殿堂入りを果たした一方で、レイプ事件や耳噛み事件ほか多くの醜聞が付いて回った男でもある。
タイソンは現在47歳。大ヒット映画『ハングオーバー』シリーズにも出演した通り、ボクシングを辞めてからはタレント活動を続けており、2009年6月にラキハ・スパイサーさんと再々婚。ラスベガスのホテル「MGMグランド」にて、『Mike Tyson:Undisputed Truth』という名のワンマンショーも開催した人気者である。
そんなタイソンはこの夏からボクシングジム「Iron Mike Productions」のプロモーターに就任していたが、ニューヨーク州ヴェローナのホテル「Turning Stone Resort Casino」で23日に行われた試合前の記者会見の席で、「俺はまもなく死ぬ」と発言して取材陣をざわつかせた。
「実は俺、死の淵に立っている状態なんだ。だから墓に入る前にこれまでの数々の過ちを皆さんに詫びたい。俺は本当に凶悪な男だった。申し訳ない。できれば許して欲しいと思っている。」
「人生をやり直すことができたら、しらふで過ごせたらどんなに幸せだったかと思うよ。俺だって死にたくない。でももうそれが迫っているらしいんだ。長年信じられないほど大量の酒を飲んできたからね。ここ数年断酒していると話してきたけれど嘘だった。」
2006年には飲酒運転およびコカイン不法所持で逮捕されたこともあるが、リハビリ生活を3度経験しても、アルコールおよび薬物依存からどうしても脱け出せなかったタイソン。大量の飲酒を長年続けてきたとあれば肝臓のダメージも相当なはず、ついに“死”を予感させるドクターストップがかかったのであろう。「今度こそはときっぱりと断酒した。もう6日飲んでいないよ」とも語った。
私生活では2009年5月、当時4歳であった娘エクソダスちゃんを自宅のトレーニングジム内の事故で亡くしているが、以前の結婚を含めると実に8人の子のパパとなっていたタイソン。現在もミランちゃん、モロッコ君という幼い2人の子供を育て、大の子供好きを自負している。まだまだ倒れるわけにはいかない。今回の断酒により体が少しでも回復していくことを祈りたい。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)