とにかく陽気でお喋り。臆せず何でも喋ってしまうのが、若手女優の中でも現在人気No.1というジェニファー・ローレンスである。しかし最新インタビューで語られたのは、「平和な暮らしが欲しい」というちょっと心配な言葉であった。
2012年の『世界にひとつのプレイブック(原題:Silver Linings Playbook)』の大ヒットにより、アカデミー賞主演女優賞に輝いた女優のジェニファー・ローレンス。以来、デヴィッド・O・ラッセル監督(写真・右=54)の大変なお気に入りとなり、今が旬の俳優と言われているブラッドレイ・クーパーとは3度も共演を果たしている。
そんなジェニファーは、このほどファッション誌『VOGUE』9月号の表紙を大人っぽい表情で飾ったが、同監督と共に臨んだ特集インタビューが興味深いものになっている。まずは監督がジェニファー・ローレンスという若手女優に対し、仕事が始まる直前まであまり良い印象を抱いていなかったという事実を話してくれた。
「ブラッドレイ・クーパーと一緒に、“このガキ、ちゃんと人の話を聞いてるのかね”なんて話していたことを僕は今でも覚えているよ。だってジェニファーときたら、動きはトロいし、ポテトチップスをむしゃむしゃ食べてばかりだし、オナラがどうしたとかいうくだらないジョークを言ってはゲラゲラと笑っているんだ。」
「ところが撮影が始まってセットに入って来た彼女は、途端に豹変した。まるで最高のアスリートたちが、それまでダラダラしていたのに突然目つきが変わり真剣勝負に挑む、ああいう感じさ。バスケにたとえると、2分間残っているなら焦らなくても何かスゴイことを一発やらかせば勝てるなんていう発想なんだろうね。ジェニファーはまさに、そんな時に遠距離からひょいっと3ポイントシュートを決めるプレーヤーだったね。僕とブラッドレイはもう口あんぐりさ。」
映画監督にここまで言わしめる若手女優などそういるものではない。彼女が主演でなければこの作品の大ヒットはあり得なかった、監督自身はそう痛感しているのであろう。このあたりについて、ジェニファー本人は女優としての自分にどれほどの自信を持っていたのであろうか。その答えはなかなか意外なものであった。
「こんなこと、これまで一度だって言ったことはないのよ。だって自惚れていると誤解されて当然だもの、普通は思っていても言葉にするものではないわ。私ね(ちょっと声を下げて)、自分は有名になるってちゃんと予想していたわ。」
ところが有名になってみたら、私生活は不都合なことだらけになってしまったと話すジェニファー。ごくフツーの暮らしをしていた女の子が、22歳の今はまったく異なる環境での暮らしを余儀なくされており、いつかこんな状況にも慣れる日がくるものかと不安を募らせているというのだ。
「有名になることと引き換えに失ったのは平和や安心感。警察に“うちの芝生に見知らぬ男が寝転がっています”、“スターバックスに向かっているのですが、男に後をつけられているようです”なんて通報しなくちゃならないのよ。」
実は少し前から、“超人気女優ならではの悩みに直面するようになったことで、ジェニファーが心を病んでしまいかねない状況にある”という報道がちらほら流れていた。どうやらそれは嘘ではなかったのであろう。ストーカーや暴漢に襲われることが、正直何より怖いに違いない。
ここまでスター女優になってしまうと、ジェニファーがノーマルな暮らしを取り戻すことは難しい。また彼女も女優業を愛しているため、引退して外国に雲隠れすることなどはみじんも考えていない様子だ。常に陽気なジェニファーでも中身は繊細な22歳の女の子。これまで以上にセキュリティ面では気を付けてあげて欲しいものである。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)