海外TVドラマシリーズの中でも本当に人気の高い『glee/グリー』。主役のひとり“フィン”を演じるカナダ出身の俳優コリー・モンティスがこのほど急逝したが、彼は9月からスタート予定のシーズン5でもかなりの出番があった様子。そのため番組の今後を心配する声が高まっている。
FOXの超人気高校生ミュージカルドラマ『glee/グリー』において、オハイオ州マッキンリー高校のアメリカンフットボール部のスターで、合唱部「ニュー・ディレクションズ(ND)」の主要メンバー、そして“レイチェル”役の女優リア・ミシェル(26)とは2011年から恋愛関係という、“フィン”こと俳優のコリー・モンティス。コリーは13日、31歳にしてヘロインとアルコールを併用したことによる薬物中毒死を遂げてしまったが、彼を失った番組はいったいどうなって行くのか、ファンも番組制作者も共に苦しんでいる様子だ。
『glee』シーズン4は、米国では5月に『All or Nothing』の放送をもって終了していた。教師を目指して大学に進んでいたフィンだが、高校時代から慕ってきた合唱部のウィル・シュースター先生に「どうしても後輩を指導して欲しい」と依頼され、それを引き受けたところ。卒業・入学によりメンバーの入れ替わりを余儀なくされてきたこの番組において、「ND」は今後もフィンを軸に発展を遂げるはずであった。なぜこのような時にと制作者らも肩を落としているに違いない。
8月になるとそのシーズン5の撮影が始まる予定だが、コリー、そして彼の歌声があまりにも人気を誇っていただけに、フィンの代役を探すという発想は完全にNG。フィンが登場しないストーリーに軌道を変更するとともに、恋人のコリーを失ったリアの悲しみが特に深いことから、彼女に対する配慮も十分に必要であろう。シーズン5には人気歌手アダム・ランバートが出演することも決まり、9月19日にはプレミア放送も予定されていた。だが制作者らの間では、その遅延や番組の続行そのものについての是非論が交わされているもようだ。
LGBT、家庭内のトラブル、貧困、身体障がい、性差別、人種差別、イジメ等々。『glee』には本当に“苦労屋”が多く登場するが、“フィン”だけは人物も素晴らしく、アメフトのスター選手らしい正統派イケメンとして誰からも愛されるキャラクター。2011年の「ティーン・チョイス・アワード」に輝いたことでも、コリーの人気の高さがよくわかる。本当にもったいない死である。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)