フランスで活動している中年の女性パフォーマンス・アーティストが、このほどレディー・ガガを訴えた。「私の作り出した自分自身のイメージおよび芸術作品は、ことごとくガガに模倣されてきた」というのが理由で、“Born This Way”に関して7.5%の印税に相当する額を請求したいという。
カナダの『ナショナル・ポスト』紙電子版が伝えているところによると、剽窃(ひょうせつ)行為があったとしてこのほどレディー・ガガを訴えたのは、Orlanという名でパフォーマンス・アーティストとして活動しているフランス人中年女性。剽窃とは文章やパフォーマンスなどの表現方法や内容を盗むことである。
Orlanの主たる訴えは、ガガのミュージック・ビデオ“Born This Way”に登場するガラスの板の上に女性の頭部が陳列されているあのイメージについて、1996年に発表した彼女の彫刻作品『Femme Avec Tête (英:Woman With Head)』と酷似しているということ。そして顔の所々をツンツンと隆起させる奇抜さで話題を呼んでいたその頃のガガについても、フェイシャル・インプラント術によりこめかみ付近を隆起させていたOrlanのイメージを真似したものだと主張している。
芸術表現としてのこの顔面隆起は、1990年代にOrlanが世界で初めて試みたことであり、そのためフランスの人々はガガのそうした写真を見た時、すぐさま「Orlanのパクリだ!」と騒いだそうだ。ただしガガは今27歳。幼い頃のことであり、何者かによって教わった可能性はあるが、本人はフランスのメディアの取材に「Orlanの芸術の世界については何も知らなかった」と語っていたという。
しかし数々の写真から確認する限り、ガガの奇抜なヘアスタイル、髪色、眼鏡などはOrlanが醸してきた雰囲気とかなりそっくり。Orlanは今、“Born This Way”について、アルバムやビデオのセールスから印税に相当したはずの7.5%を自分の取り分だとして求めている。大ヒットしたこともあってその賠償請求額は31.7ミリオン・ドル(約30億円)にもなり、今後のセールスに関しても同様に要求したいもようだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)