多感な年頃である、故マイケル・ジャクソンの長女パリス・ジャクソンちゃん。彼女がこのほど自殺を図って病院に搬送されたが、その夜にはロックコンサートをめぐり家族と大喧嘩していたことが分かった。だが死の衝動に駆り立ててしまったものは、それだけではないはずだ。
パリス・ジャクソンちゃんは米国西海岸の5日午前2時ごろ、カラバサスの自宅で大量の解熱鎮痛剤を摂取し、遺書を書き残して肉切り包丁で手首を切った。現在は近くの病院で治療を受けているが、容体は安定している。パリスちゃんには以前から自傷行為があったことが疑われており、まだ15歳の未来ある少女を「死にたい」と思わせたものは一体何なのかと注目が集まる中、自殺未遂を起こした夜の直前の様子が少しずつ分かってきた。
4日夜、パリスちゃんは家族と大喧嘩を繰り広げていたのだ。彼女はロサンゼルスの「ギブソン・アンフィシアター」で6日開催のマリリン・マンソンとアリス・クーパーによる『Masters of Madness 2013 Tour』のコンサートに出かけるつもりでいたのだが、木曜日の夜であるため家族は大反対。最近のパリスちゃんの一番の理解者となっていた実母のデビー・ロウさんは、「娘はこれに激高して大量の解熱鎮痛剤を飲んだ可能性がある」と当局に漏らしたという。
チケットも入手して楽しみにしていたロックコンサートを、直前になって「出かけてはダメ」と家族に禁じられてしまった。15歳の子にとって、それは死を選択するほどムカつく話であったのか。青春期にはこうした欲求不満はつきものだが、しかしこれだけではあるまい。ビートルズの『イエスタデイ』を引用し、“一旦遠ざかったように思えたトラブルが今またここに”などとツイートしていたパリスちゃん。最近の彼女の暮らしの中で、再びざわついていたものとはいったい何なのか。
実はマイケルの母キャサリンさんとパリスちゃんを含む遺児3人は、勝ち目があるとは言い切れない超大型の裁判を抱えている。ロンドン・カムバック公演を企画した「AEG Live」社に約4兆円を求めたいとする訴えを起こしていたが、いよいよその裁判が始まり、しかしこのタイミングで振付師ウェイド・ロブソンが「マイケルの性的虐待は事実あった。被害に対する賠償を求めたい」と爆弾発言を放ち、遺族と関係者はこちらにも翻弄されている。
また昨年夏には祖母キャサリンさんの失踪・軟禁事件があった通り、ジャクソン家の人々の誰を信頼してよいのか今のパリスちゃんは分からずにいる。大人の世界の恐ろしさを目の当たりにするたびに彼女は心を閉ざし、すべての問題から解放されたくて「死」を思いついた可能性もある。しかし天国のマイケルは、15歳の娘が自分に会いに来てしまうことを決して望んではいないはずだ。パリスちゃんの心が晴れ、精神が安定し、生きる自信を取り戻せるよう祈るばかりである。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)