南米コロンビアが生んだラテン・ポップ界の人気歌姫シャキーラ。まもなく生後3か月という赤ちゃんの子育てに専念している彼女に対し、このほど元ボーイフレンドがとんでもない額の損害賠償を求める裁判を起こした。
今年1月22日、「FCバルセロナ」所属のジェラール・ピケ選手との間に、第一子となるミラン君を出産していた歌姫シャキーラ(36)。ところが今月12日、アルゼンチンの元大統領フェルナンド・デ・ラ・ルア氏の息子で弁護士のアントニオ・デ・ラ・ルア氏(写真は2007年)が、シャキーラに損害賠償として100ミリオン・ドル(約98億円)を求めたいとする裁判を起こした。
アントニオ氏はシャキーラが2010年8月まで11年ほども交際してきたボーイフレンドで、彼女のエージェントを務めていたこともある。提訴の理由は“自分の貢献によりシャキーラは売れた。相当の報酬を受け取りたい”というもの。実は昨年11月にもニューヨーク州で250ミリオン・ドルを求める裁判を起こしたが、それは却下となったために請求額を見直し、争いの場をカリフォルニア州の裁判所に移した次第である。
シャキーラはアントニオ氏の動きに対し、“彼と出会った2000年にはすでに売れっ子になっており、国際的に活躍するようになったのは多数の関係者のサポートによるもの。彼は音楽のビジネスには精通していなかった”と主張しており、一見するとどこにでもある「元~によるお金欲しさの裁判」といった感じがするが、実は気になる点が2つある。
アントニオ氏の主張が正しければの話ではあるが、まずはシャキーラの2006年の大ヒット曲“Hips Don’t Lie”は、気に入らないと言う彼女にアントニオ氏が「絶対にイケるから」と強く説得してレコーディングがなされ、莫大な稼ぎをあげたそうだ。そして2010年FIFAワールドカップ・アフリカ大会のオフィシャルソングとなった“Waka Waka (This Time for Africa)”は、アントニオ氏のアイデアを盛り込みながらシャキーラが作曲したという。
特に後者に関しては、ボーイフレンドと一緒に曲を作り、レコーディングし、大変売れた…交際が順調なうちは良いものの、それが破局を迎えると思わぬ逆襲が待っているという典型例であろう。しかし男は交際中に「君のためなら僕はどんなことでも」といった無償の愛を口にするものである。彼の場合はどうだったのか。どのシンガーソングライターにとってもこれは他人事ではない。裁判には大きな注目が集まるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)