ワールドツアー「Believe」をひっさげて、ジャスティン・ビーバーがやってくる！　これは北欧の国ノルウェーのファンにとっては1年に1度あるかないかという嬉しい知らせ。興奮が収まらない生徒たちの様子に学校側は…。前代未聞の出来事がノルウェーの複数の中学校で起きている。

とにかくティーンエイジャーのファンが多い歌手のジャスティン・ビーバー（19）。ツアーを行うにあたっての悩みの種は、夜遅くになると帰宅に心配が伴うことと、学業のある平日のコンサートに出かけることを保護者がよしとしないこと。しかし開催を週末だけにするわけにはいかず、案の定ノルウェー・オスロ公演は4月16日（火）、17日（水）と決まった。

しかも学生らにとってはタダの平日ではない。この時期は中間テストにあたってしまう学校が多いようだ。そこでなんとも寛容なことに、オーレスンという都市では5つの学校が中間テストの実施日を変更したというから驚きである。オーレスンからオスロへは約380kmと遠く、飛行機で行くほどの距離である。多くの女子生徒たちがコンサートを楽しみにしており、テストを受けずオスロに向かってしまうことはもはや歴然であるとして、学校側はテスト期間を10日と11日に前倒したのだ。

そうした学校の措置を知った同国の教育担当の大臣はメディアに、「各自治体、各学校が責任をもってやっていることですから校長の考え方を否定することはしません。生徒たちがしっかりとテストに向き合ってくれればそれが一番です。誰もが自分の14歳の頃を思い出せばわかりますよ。何かに夢中になればその衝動を抑えられない、そんな年頃でしたよね」とコメントしている。

昨年5月下旬にオスロで開催されたジャスティンのコンサートで、あわや死者もという将棋倒し事故が起きたことは人々の記憶に新しい。無料コンサートであったこともあり、ジャスティン見たさのファンが会場となったオペラハウスの沿道にあふれ、ジャスティンが乗っているとみられる車をめがけて猛ダッシュ。次々と転倒して約100人がケガを負ったのだ。

ノルウェーの大人たちは、ジャスティンのファンが爆発的なエネルギーを持っていることに心底驚いたというから、彼が再び来るとあっては「とにかく落ち着いた行動を」と呼びかけるしかないのであろう。このテスト期間変更の話はさっそく世界中に広がりを見せており、アメリカやカナダの若者でさえ「すごく理解あるね！」とノルウェーの教育関係者らに大きな拍手を送っている。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）