オーディション番組『アメリカン・アイドル』の審査員席では、度々マライア・キャリーと衝突して話題を呼んでいるニッキー・ミナージュ。優れた音楽の才能を持つ人気ラッパーだがとにかく型破りで、周囲に対して攻撃的でもある。そんな自分の性格についてニッキーは…!?
このほど、米国版『ELLE』誌4月号の表紙をお腹まで大胆にジッパーを下げた革ジャン姿で飾り、特集ページが組まれたニッキー・ミナージュ(28)。今月下旬の発売を前にそのインタビュー内容が少しばかり明らかにされ、話題を呼んでいる。攻撃的で協調性が足りないとバッシングされてしまう自分の性格について、彼女はこのように分析していた。
「幼い頃ひどいイジメにあっていたの。トリニダード・トバコからの移民だったから英語もなまりが強くてね。意地悪な女の子たちのせいで私の毎日は地獄、本当にしんどかったわ。」
「私は成長するにしたがって人との間に壁を作るようになってしまった。わが身を守るというごく自然な自衛のメカニズムが働いたのよ。だって、いつ誰が何をしてくるのか、もう皆が敵に思えてならなかった。今でもたまに同じような目にあうけれど、やっぱり辛いわ。」
学校ばかりではない。DV気質のニッキーの父親は母親との関係が悪く、自宅に放火したほどの危険な人物であった。雑誌『ニューヨーク』とのインタビューで彼女は、幼い頃から現実逃避のために多重人格を形成する傾向があったことを激白。オニーカ・タニア・マラージ(ニッキーの本名)という子が空想の世界では“クッキー”となり、“原宿バービー”となり、最後は“ニッキー・ミナージュ”となって行ったことを認めている。
そのような中でも、ニッキーは大好きな音楽の才能を磨くことだけは怠らなかった。そのせいで輝かしい今の活躍があるのだが、売れっ子になるとどうしてもつきものの撮影の仕事が苦手らしい。鎧(よろい)を着せてはじめて完全な自分になる、そんな感覚があるためだ。
「突拍子もないルックスとか言われるけれど、私にしてみればそれはもうわが身の一部、ありのままの自分自身よ。クレイジーなつけまつ毛やピンクの唇、ああいうのをつけずにカメラの前に立つのは恐怖。ヌードを撮られているような不安に陥るわ。」
自分の中に攻撃性と繊細な脆さの両方が潜んでいると分析するニッキー。残酷なイジメを受けている子は、忍耐強くみえる中にも心がどんどん折れて弱くなって行くと同時に、周囲への警戒心、時には敵対心が蓄積されていくもの。ニッキーもそんな典型例であったようだ。イジメという行為の真の罪深さを、今一度考えさせられる話である。
ただし彼女はすでに、「だから私はトラブルメーカーなの!」と開き直るわけには行かない年齢である。また大好きな音楽の世界でこれだけ活躍していれば、かつてのイジメっ子たちも心の中で彼女に屈服しているであろう。人の弱さ、悲しさが分かる豊かな心の持ち主として、今後のニッキーにはどうか周囲と衝突しない術を身につけて行ってほしいものである。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)