女優カースティ・アレイ(61)が人気俳優ジョン・トラボルタと共演し大ヒットした映画『ベイビー・トーク』(1989年)をご覧になったことのある方も多いだろう。当時のカースティはまだ30代後半の女ざかり。その容姿の美しさとコミカルな演技で大好評を博したものだが、年月とともにデップリと脂肪を蓄えた結果、100キロを超す超肥満体になってしまったのだ。そんなカースティは昨年45キロものダイエットに成功したとして大変な話題になったばかり。だが、最近の彼女はまた太り始めているのだ。
太ったり痩せたりを繰り返す人を、英語でヨーヨーダイエッター(Yo-yo dieter)と呼ぶ。女優カースティ・アレイも典型的なヨーヨーダイエッターとして知られるが、昨年は230ポンド(約104kg)にまで達していた体重を45キロも落として大きな話題に。全米の肥満に悩める人々を大いに励ましたハズのカースティだが、このところまたやけに太り始めている。ダイエットに成功直後は「すごくヘルシーな気分。こんな元気になったのって生まれて初めてというくらいよ」とその喜びを語っていたが、現在のリバウンドの様子はヘルシーとは言いがたい。
一度落ちたはずの体重がみるみる増加。これは目標体重に到達したことを“ゴール”と思い違いしたばかりに起こる典型的なリバウンドと呼ばれるものである。目標体重に到達した後の体重維持こそが大事だというのに、「もう大丈夫!」という安心感とこれまでの食事制限で溜まったストレスのせいで、ついつい過食。再び増えた体重を落とすべくまたもやダイエットに走り、また痩せては太ってしまうヨーヨーダイエッターたちだが、このように体重の増減を繰り返すことの危険性を多くの専門家が指摘する。そのいくつかを簡単にご紹介しよう。
■ ストレスが蓄積し、摂食障害に陥る危険性が高まる。
■ 肥満でも体重の増減が無い人と比較すると、免疫の低下しているヨーヨーダイエッターの方がガンになるリスクが高い。
■ 心臓病を患うリスクが上昇する。
■ 新陳代謝率が下がり痩せにくい体質になる。
■ 骨粗しょう症や骨折のリスクが高まる。
■ 筋肉の力が弱まる。
■ 体が弱まり心拍も弱くなる。
■ 記憶力が低下する。
リバウンドは、ヨーヨーダイエッターならずとも、多くのダイエッターたちの“敵”である。そこでこの“敵”を知るべく、今回も、「レーザースタイリング」をはじめ、さまざまな痩身方法について精通している加藤クリニック麻布の総院長・加藤一実先生にお話をうかがうことにした。
―先生のクリニックには、「痩せたい」という方が多くいらっしゃると思いますが、リバウンドした方はみえますか。
加藤先生「はい。ダイエットに成功したものの、元の体重に戻ったり、それ以上の体重になってしまって相談にみえる方がいらっしゃいます。食事制限や運動で努力した分、その失望感は大きいようです。」
―確かにがっかりされるでしょうね。ところでリバウンドはどうして起こるのでしょうか。
加藤先生「目標の体重を達成すると、それまでの食事制限や運動を止めてしまわれる方もいらっしゃるようです。ただ、それだけが要因ではありません。脂肪が増えるのには2つのパターンがあって、まず脂肪の細胞のひとつひとつが大きくなる場合、そしてもうひとつは脂肪の細胞の数が増える場合があります。」
―脂肪の細胞の数は、大人になってからも増えるのでしょうか。
加藤先生「はい。余分なカロリーを摂り続けていると、成人でも脂肪細胞の数が増えることが最近分かってきました。そして、その数は、増えることがあっても、減ることはないのです。」
―増えても減らないとは…。脂肪細胞の数を減らせないならば、痩せるには、脂肪細胞の大きさを小さくすればいいのですか。
加藤先生「そうですね。食事制限や運動では脂肪細胞の数は減らせません。ただ、脂肪細胞の数は減らさずに小さくしているだけなので、元の大きさに戻るとリバウンドとなってしまうわけです。脂肪細胞は正常時と比べて、最大で約3~4倍に大きくなると言われています。脂肪細胞の数が年々増えてしまう人もいらっしゃることを考えますと、成人になってからは痩せるのが難しく、肥満になりやすいとも言えます。」
すでに60代のカースティにとって、健康問題は大いに気になるはず。出演した人気番組『Dancing with the Stars』のパートナーや俳優ブラッドレイ・クーパー(37)がお好きというカースティだが、今の体型と美貌を維持できれば、例え年齢は重ねていてもまだまだ恋愛だってできるだろう。そのためにもまずは体調管理。その熟年の体にこれ以上過度の負担がかからぬよう、今後はヨーヨーダイエットを繰り返すことなく健康的な毎日を送っていただきたい。
■レーザースタイリング http://www.laserstyling.jp/
■加藤クリニック麻布 http://www.katoclinic.jp/
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)