オスカー女優ケイト・ブランシェット(42)は、「美容整形は絶対にイヤ」と発言している数少ない女性セレブの一人。彼女はフォトショップ加工にすら嫌悪感があるらしく、このほど年齢にふさわしい笑顔で雑誌の表紙を飾った。
スクリーンでは知的でクールな色白美人で通っているブランシェットだが、そろそろアンチエイジングや美容整形の話題が気になる年代であろうと思いきや、「手術って聞くだけで怖い。美容整形をしてまで25歳の時の自分に戻らなくても結構よ。もっと塗らないと、もっと隠さないという気持ちもあるけれど、メイクは極力したくない。厚塗りはマスクをかぶっているようなもの」と彼女は語って来た。
ブランシェットが、自然な自分にこだわっていることが改めて分かったその写真。このほど『intelligent life』誌が、“ここでのケイト・ブランシェットは映画スターではなく劇団のボスの顔”なるタイトルを添えて表紙に堂々掲載したもので、その笑顔には年齢相応のシワがハッキリと見て取れる。
劇団のボスというのは、彼女がオーストラリアが誇るシドニー・シアター・カンパニーという歴史ある国立芸術劇団の長に08年に任命されたこと。3人の息子を育てる傍らで同国の文化芸術発展のために尽力する姿は、大変な評価を受けている。誇り高き位を与えられた彼女のりりしい姿を紹介する以上、余計なメイクやフォトショップ加工は不要と判断されたのであろう。
どうしてもここで思い出すのは、化粧品ブランド『ヘレナ・ルビンスタイン』が最近発表したデミ・ムーア起用の新広告写真の話題。離婚のストレスやドラッグ依存で激ヤセしたやつれ顔を、見事フォトショップ加工で美しい、いや、美しすぎるものへと変えていた。肌ばかりか鼻筋やアゴのラインもシャープになっており、これはさすがに物議を醸してしまった。
フォトショップ加工は、「一旦やり出すとその手が止まらない。あそこも、ここもと次々と気になってしまう」とよく言われる。依頼主とフォトショップの技術屋が、妥協点を見つけるまでの会話を盗み聞きしたいものである。「そんな風に自分の顔をいじられたくない」というブランシェットだが、ハリウッドに生きる女性たちのどれほど多くが彼女のようなプライドを持っているであろうか。
その写真は、米インターネット新聞『Huffington Post』が掲載したこちらのものが見やすいのでオススメ。
http://www.huffingtonpost.com/2012/03/21/cate-blanchett-intelligent-life-cover_n_1370160.html
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)