英国が生み出した世界的ロックバンド、ローリング・ストーンズのメンバー、キース・リチャーズ(68)が、このたびバンドのフロントマン、ミック・ジャガー(68)に謝罪した。なんとか和解したようだが、この2人の音楽界の重鎮にいったいどのような軋轢があったのだろうか。
2人の軋轢に大きな注目が集まったのは、キース・リチャーズが2010年に発表した自伝『ライフ』が原因であった。その中でキースはミック・ジャガーを“unbearable(我慢ならない)”などと表現。2人の関係は常に良好とは言い難いものだったらしい。だが、世界中の多くの音楽ファンが注目した自伝でミックを悪く書いてしまったことに、キースは今さらながら後悔の念に苛まれているようだ。近く公開されるドキュメンタリーでインタビューに応じたキースは、その心情を明かしている。
「あの本に関して言うなら、あれは俺側の言い分。本当に品が無かったと思う。そういう本にしたかったのは確かだけど、本に書いたことのいくつかや宣伝内容のせいでミックが腹を立てたのは分かっているさ。その点は後悔している。」
ミック本人は“どんなキャリアでも、振り返ってみれば良いことも悪いこともある。”などと大人発言。2人の間には確かに確執があったことを認めた上で、“もうムーブオンしても良い時期だぜ。”などと語りカッコ良いところを見せている。これに対し、キースは以下のように語っている。
「ミックの言うとおりさ。もう長年していなかったような会話を、昨年来ミックとするようになった。これって、俺にとっては本当に重要なことなんだ。」
すでに70歳近い2人は1950年からの仲というから、まさに60年以上も親交があるのだ。仲の良い時期があれば、悪い時期があっても不思議はあるまい。だがこれだけの地位を築いてもなおプライドにとらわれず、非に気づき謝罪したキースはなかなかカッコいい。その謝罪の意をすんなり受け入れたミックもまた輪をかけてカッコ良いではないか。いくつになっても「オジイチャン」化しない2人の心意気は、どこまでもロックンロールである。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)