09年11月リリースの『Before I Self Destruct~自我崩壊の日。』以来、ご無沙汰が続いているラッパーの50セント(36)。曲の録音は完了しているようだが、レーベルがリリースに向けて全く動いていないことが分かった。
株で大儲けし、札束には苦労しないと豪語する財テク上手な50セントだが、CDの製造、販売となるとその道のノウハウはゼロ。「レコード会社が動いてくれなければ話にならないよ」とボヤいている。
50セントの望みは、所属するレーベル「インタースコープ・レコード(Interscope Records)」社が、しっかりとCDリリースにこぎつけてくれること。同社はユニバーサルミュージックの主力レコードレーベルで、新たにマドンナとも契約したばかり。経営状況に問題はないはずである。
実は50セント、12月に自身で『The Big 10』というミックス・テープをリリースしており、ゲスト出演した米国版『Xファクター』のステージでその中の1曲をパフォーマンスし、強力なアピールをしたつもりであった。だが、インタースコープ側はあまり興味を示してくれない。このことに50セントは業を煮やし、大晦日に同レーベルの社長、ジミー・アイオヴィン氏に宛ててこうツイートした。
“ちゃんとした契約がしたいんです。明日の朝、是非とも電話を下さい。”
“どこの誰もがオレと契約したがっているんですよ? だってオレ、若くてハングリーなアーティストですからね。このヒップホップ界で、オレより一生懸命に仕事しているヤツなんていないでしょ。とにかく今度のアルバム、マジでヤバイですから。”
懸命にレーベル社長へのアピールを続けた50セント。だが「ハングリーな」という表現はいかがなものか。2010年11月にはツイッターに、50万ドル分もの札束を皿に載せ、「あんたもいるかい?」とキャプションを添えた挑発的な写真を投稿し、1年前にはやはりツイッターで、株でたった1日にして7億円の利益を上げたと自慢していた。
12歳から麻薬を扱っていただけあり、彼の元の職業はもちろんドラッグの売人。2000年にはトラブルから祖母宅前で9発も撃たれ、当時所属していたコロムビア・レコードとの契約を解除されてしまった。その後エミネムのレーベルからリリースした最初のアルバム、『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』が1000万枚超の売り上げとなったものの、ステロイド使用疑惑もある彼は、いまだ業界のブラックリストの存在である。アイオヴィン社長の思惑がどこにあるのか、大変興味深いものがある。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)