17日、女優アン・ハサウェイ(29)が、ニューヨークで行われている反格差運動「ウォール街を占拠せよ」の抗議デモに参加して、約1000人の参加者と共にシュプレヒコールを上げた。
9月17日にニューヨークで始まって以来、全世界に飛び火している「ウォール街を占拠せよ」運動。大学を卒業しても雇用がない経済不況や、政府による金融機関救済、富裕層への優遇措置に反対の声をあげる参加者が各主要都市に集まり、テントに泊まり込みをするなどして抗議を続けている。
デモ開始から2か月が経過したアニバーサリーである17日は「アクションの日」とされ、全米各地で大規模な抗議活動が行われた。ニューヨークでは早朝からデモ隊が証券取引所を包囲しようとする動きを起こし、170人を超える逮捕者が出た。
「ズコッティ公園」を拠点に行われているニューヨークの抗議デモには、これまでもラッセル・ブランド、スーザン・サランドン、ティム・ロビンスやカニエ・ウェストなどのセレブが顔を見せていたが、このほどそこにオスカー司会も務めた人気女優アン・ハサウェイが加わった。
17日午後、恋人の俳優アダム・シュルマン(30)を伴って、メガネにグレーのニット帽をかぶり、チェックのマフラーをぐるりと首に巻いたアンがNYユニオンスクエアに現れた。彼女は「Blackboards Not Banks (銀行じゃなくてもっと黒板を)」などと書かれた手書きのサインを手に、デモ隊に交じってストリートを行進したという。アダムはパパラッチに対し、アンの写真を撮らぬよう、終始手を伸ばし阻止をしようと試みていて、アンもなるべくセレブであることを隠したかったようだ。
デモに参加するのはアンの自由だが、少々矛盾しているのは、彼女が現在ハリウッドで最も稼いでいる女優の一人である点。一説には彼女の資産は約5800万ドル(約44億円)とも言われており、「ミリオネア」の一人だ。
この「ウォール街を占拠せよ」デモのスローガンは「We are the 99%」。これはアメリカで上位1%の富裕層が所有する資産が増加し続けていることを受け、「資産の不平等」に不満を訴えかける人々の思いを表したものであるが、アンはどちらかといえばこの「1%」に属する層なのである。
しかし、このほど彼女がデモに参加したのは、長年慈善団体を通じて教育問題の改善に取り組んで来た、という背景があってのことだったそう。デモ参加者にとっては、彼女がエンタメ界の「ミリオネア」であっても、抗議活動自体が注目を浴びれば、そんなことは関係がないのかもしれない。どちらにしろ、どんどんエスカレートして死者まで出始めている同デモ、参加するセレブも身の安全に気をつけてほしいものだ。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)