気性の荒いことで知られている俳優ニコラス・ケイジ(47)が、新作映画のプレミアのために訪れていたカナダのトロント映画祭で、自宅に裸で侵入して来た男に対面した過去の体験談を披露。その際暴力を振るったりせずに、出て行くよう言葉だけで説得したことについて告白した。
ケイジが女優ニコール・キッドマンと夫婦役で共演したジョエル・シュマッカー監督の映画『Trespass(原題)』は、2人が自宅に侵入して来た男に人質に取られるという心理スリラー。14日、ケイジは10月全米公開の同映画のプレミア上映が行なわれたトロント映画祭で、映画以上に怖い悪夢の体験について語った。
「あれは夜中の2時だった。当時はロサンゼルスのオレンジ郡に住んでいて、妻(アリス・キムさん)と一緒に眠っていたんだ。息子(5歳になるカルエル君)はまだ2歳で、別室で眠っていた。目を開けたら、裸の男がオレの革ジャケットを着てベッドの前に立ち、Fudgesicle(チョコレートファッジのアイスバー)を食べながらオレを見つめていたのさ。」
大胆な侵入者と深夜、驚きの対面をしたケイジ。急いでジーンズをはくと、男を浴室に追い込んだ。ケイジは「オレの家で何をしているんだ? 出て行け!」と言葉を発したそうだが、その後はキレると暴れることでよく知られているケイジのこと、てっきり怒りのあまり、男に暴力をふるったのかと思いきや、意外や意外。そうではなかった。
「そこでオレは、“言葉の柔道”を使う決心をしたのさ。命令口調の言葉で話して、男に出て行くように言葉で説得した。」その説得が功を奏してか、ケイジは男を家から追い出すことに成功。ほどなくして警官がやって来て、男を施設に収容したという。「あれは怖い体験だった。」とケイジは語るが、侵入者の件は訴えはしなかったそうだ。「男はオレのアイスバーを盗んだけど、訴えには値しないって思ったのさ。」
やって来た警官は「もし近所の他の家にあの男が侵入していたら、撃たれていただろう。」と言っていたそうである。しかしケイジは、「自分は銃を持っていなかったし、いつも、出来る限り暴力に訴えずに言葉で説得をしようとしている。」と語る。ただし、この一件で妻のアリス・キムさんは恐れをなしてしまい、結局夫妻はこの家を出ることになった。
それにしても、この『Trespass(原題)』の撮影中だった4月に、ケイジは妻へのDVで逮捕されているし、息子への虐待疑惑も浮上していた。また、さかのぼれば昨年末にもルーマニアのナイトクラブで暴れているところが目撃されている。何かとキレやすいケイジだが、今回のような事件では、意外にも冷静に対応したということで、「ふーん」と驚かされるようなエピソードである。もしかして「元祖キレる男」の称号は、現在大荒れの長男、ウェストン・ケイジ(20)に譲ったのであろうか? ケイジなら、侵入者くらい「ボコボコ」に殴り倒してくれそうなのだが、どうやら真実はそうではなかったらしい。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)