米人気メディカルドラマ『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』でやり手の女性医師「クリスティーナ・ヤン」役を演じている女優サンドラ・オー(40)が、社会保障番号を盗まれて悪用されるという、悪質なアイデンティティセフト(なりすまし詐欺)の被害に遭っていたことが分かった。
全米放送分では、今月半ばから「シーズン8」を迎える人気ドラマ『グレイズ・アナトミー』。今シーズンでは「シアトル・グレース・マーシー・ウェスト病院」で活躍する「ヤン医師」に妊娠が発覚し、産むか産むまいか大いに悩むところが一つの見どころとなるが、私生活では今まで大きな問題のなかったオー。ここにきて、ちょっと頭の痛い事件に巻き込まれてしまった。
芸能サイト『TMZ』が伝えたところによると、オーの社会保障番号(米市民や永住者、外国人就労者向けに発行される事実上の国民識別番号)が何者かに盗まれ、勝手に使われていたとのことだ。米社会では何かにつけて、社会保障番号が身分証明の方法として使われるため、個人情報を盗み取ろうとする人に悪用されないよう、人々は番号の管理に十分気をつけているものだが、一体いつどうやって盗まれたのだろうか?
オーが2日、ロサンゼルス市警に提出した訴えによると、オーの番号を盗んだ犯人が、それを使って09年、とあるホテルの仕事に応募した。ところがその犯人が、その年に米国内国歳入庁(IRS=日本の国税庁にあたる)に支払うべき税金を払っていなかったことから、IRSから犯人が使った社会保障番号の主であるオーに連絡が行き、そこで何者かが彼女になりすましていることが発覚した。
警察側では、犯人は「女優サンドラ・オー」になりすまそうとして番号を盗んだのではなく、ただ仕事に応募したかったから、誰の番号でもよいから盗んだのではないか、と見ているそうだ。オーも、知らないうちに誰かにIDを盗まれるというとんでもない事件に巻き込まれたものだが、金融犯罪などもっと悪質な犯罪に番号が悪用されずに済み、不幸中の幸いだったと言える。オー本人からのコメントや発表などはないが、現在警察が取り調べをすすめているそうだ。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)