破壊と略奪が吹き荒れたイギリスでの暴動。先週末、名物プロデューサーことサイモン・コーウェルが、暴動で略奪などの被害を受けた人々のために多額の寄付を行っていたことが分かった。サイモンをはじめとする英国の著名なセレブたちが、復興のための基金を立ち上げ、被害者の救済を呼びかけている。
先週の土曜日、「Xファクター」などのオーディション番組で知られるサイモンが、英国暴動救済のため80,000ドル、日本円にして約600万円もの寄付を行った。日ごろは皮肉と辛口がトレードマークのサイモンだが、「多くの家族や商店が、早急なる助けを必要としている。彼らを助けるためなら、いかなる動きも応援したい。」と語り、暴動で被害を受けた人々や商店の救済を呼びかけた。
サイモンによる多額の寄付は、先週の土曜日に英国エクスプレス紙が中心になって立ち上げた「Reclaim Our Streets」(我々の街並みを返せ)基金に呼応したもの。暴動で家を焼かれた被害者、略奪により財産を失った人々を救済するための同基金には、OK!マガジンをはじめ、テレビ局や複数のメディアも「Reclaim Our Streets」基金の立ち上げに加わった。
また今回の同基金の立ち上げについて、マンチェスター・ユナイテッドFCに所属するサッカー選手のウェイン・ルーニーと妻のコリーン・ルーニー等の著名人が支持を表明している。
ウェイン・ルーニーは「今回起きたことは、何千人もの無実の犠牲者を生み、商売を営んでいる人や生活をしている人たちが攻撃された。」と語り、「皆の生活が、コミュニティの商店にかかっている。彼らは皆一生懸命仕事をしているし、支援と救援がなされるべきである。」として、暴動被害者の救済を呼びかけた。
妻のコリーンも「私の心は、暴動で生活を破壊された無実の人たちと共にあります。」と述べ「人々が我々の基金活動を支持してくれるものと希望しています。」と呼びかけている。
今月の初め、警官による黒人男性が射殺された事件をきっかけに発生したイギリスの暴動は、ロンドン、バーミンガム、リバプールを中心に飛び火。当初は一定の主張を持つかに見えた暴動も単なる略奪行為と化し正当性を失う一方、警察による強硬な対応を巡っては論議を呼んでいる。
(TechinsightJapan編集部 クローン中山)