英人気TVシリーズ『Mr. ビーン』でおなじみの英コメディー俳優のローワン・アトキンソン（56）が4日夜、所有するスーパーカー『マクラーレンF1』を運転中に、木に衝突する自損事故を起こしていたことが分かった。車は炎上し大破したものの、本人は肩に軽傷を追っただけで奇跡的に助かった。

4日午後7時30分頃、英ケンブリッジシャー州のハッドン村付近を走行していたアトキンソンのえび茶色の愛車『マクラーレンF1』が道路から飛び出し、何度かスピンした後、樹木と街灯柱に衝突。車は後部座席付近を中心に大破し、炎上したという。付近の道路は湿っており、スリップした可能性が高い。

アトキンソンは自力で大破した車から抜け出し、救急隊が到着するまで、通りがかった人々に見守られていたが、その後近くの『Peterborough City Hospital』に運ばれ、治療を受けた。奇跡的に肩に軽傷を追っただけですみ、命に別状はなかったそうだ。大事を取って一晩入院したが、翌日5日の午後3時には車椅子に乗り、警備員4人に付き添われて、裏口から退院したという。取り囲むリポーター達にはノーコメントを貫き、自宅に向かったそうだ。

事故車は後部に位置していたエンジンから出火し、炎上していたが、ケンブリッジシャー消防隊によると、火はそれほど大きいものではなく、すぐに消し止められた。事故には、他の車や歩行者は巻き込まれなかった。

『マクラーレンF1』は、名車コレクターとして知られるアトキンソンが、映画『ビーン』が当たった97年に購入したコレクションの一つで、65万英ポンド（約8300万円）するスーパーカー。最高速度が約370km出る「世界最速車」の一つとして知られている。アトキンソンは他にも、アストン・マーティン・ヴィラージュやヴィンテージのロールス・ロイスなどをコレクションしていて、英自動車レース番組『トップ・ギア』では、キア車を運転する部門で、番組史上最速スピードの記録を出していた。

アトキンソンが自宅の豪邸を構えるオックスフォードシャー州では、隣人が英『デイリーメール』紙に「彼の運転の仕方は危ない。私も何度か彼の車とぶつかりそうになったことがある。彼があのスーパーカーに乗っている時は、全くの馬鹿者だ。」と語っている。実はアトキンソンは99年にも、同じ『マクラーレンF1』に乗って、ランカシャー州でローバー・メトロと追突する事故を起こしたことがある。『Mr. ビーン』の劇中では小型車ミニ・クーパーをコミカルに運転するアトキンソンだが、現実の彼はスポーツカーに乗り、スピードとスリルを好む「走り屋」であったというわけだ。

最近では、似たようなスピードの出し過ぎによる交通事故で、映画『ジャッカス』の米俳優ライアン・ダン（享年34）が死亡し、エンターテインメント界に大きな衝撃を与えたばかり。アトキンソンはケガが軽傷で済み、かなり運が良かったと言えるだろう。大破した車は、マクラーレンの工場に修理のため送られることになるといい、今後修理額が手痛い出費になると思われるが、それでも命には代えられない。スピードの出し過ぎにはくれぐれも気をつけてほしい。
（TechinsightJapan編集部 ブローン菜美）