4日に50歳の誕生日を迎えたアメリカのバラク・オバマ大統領を祝うバースデー・パーティスタイルの民主党ファンドレイザーがシカゴで開かれ、シンガーのジェニファー・ハドソン(29)がステージでお祝いのパフォーマンスをしてみせた。
黒いミニドレスを着て、ステージに現れたハドソンが、オバマ大統領にソウルフルに「ハッピー・バースデー」を歌ってみせると、オバマ大統領の顔がほころんだ。歌い終わったハドソンの頬にキスをした大統領は、感謝の念で彼女の手を握りしめたという。ステージには、昨年10月までオバマ大統領の首席補佐官を務めていて、5月にシカゴ市長に就任したばかりのラーム・エマニュエル氏の姿も見えた。
8月4日は大統領の50歳の誕生日だが、一日早く開かれたこのパーティ、ただのバースデーパーティではなく、来年の大統領選挙に向けての資金集めのファンドレイザーの意味を持つ。このところ連日過熱した議論が議会で続けられていた米国の債務上限引き上げ問題で大統領は、野党・共和党への譲歩を余儀なくされたものの、2日には瀬戸際で法案成立にこぎつけ債務不履行(デフォルト)を回避したばかり。支持率も最低に近い40%台と低迷する中で、態勢を立て直し、選挙に向けて支持者基盤固めを始めなければならない時に来ていた。
シカゴ市内の『Aragon Ballroom』で行なわれたファンドレイザーには、集まった支持者2400人が50ドル(約3900円)の寄付金兼入場料を払って、ハドソンの歌をはじめ、ジャズピアニストのハービー・ハンコックの演奏などを楽しんだ。
しかしそこはファンドレイザーであるから、もっともっと寄付金を集める必要がある。コンサートだけを見に来た人は、追加で1000ドル(約7万8000円)を払うと「プレミアムシート」に座ることが出来、さらに10000ドル(約78万円)を払うと、大統領と写真を撮る機会が得られる「プリファード・シート」に座ることができたという。また、参加者の中から3万5800ドル(約280万円)の高額寄付金を払った100人は、オバマ大統領とディナーを共にした。オバマ大統領は、集まった支持者に「ワシントンでどれだけ大変でもかまわない。私はいつだってあなたたちの味方だ。チェンジをもたらすことができると信じている。」と語ったそうだ。
ハドソンはシカゴ出身であることもあって、オバマ大統領の大の支持者。09年の民主党ファンドレイザーでもパフォーマンスしたことがある。減量プログラム『ウェイトウォッチャー』の助けを得て、36kg痩せたスリムな体で、1962年、不倫関係にあったと言われるジョン・F・ケネディ大統領にセクシーなバースデーソングを歌ったマリリン・モンローばりに、「♪ハッピーバースデー、Mr. プレジデント〜」と心を込めて歌ったに違いない。NYマジソン・スクエア・ガーデンでのモンローの祝いの歌を聴いて、当時45歳だったケネディ大統領は、「いつ引退しても悔いはない」と言ったという逸話がある。
マリリン・モンローはケネディ大統領の誕生日を祝ったたった数ヶ月後に、36歳の若さで亡くなるという数奇な運命をたどったが、ハドソンはますますきれいになり、一児のママとして実力派シンガーとして輝きが増すばかりのようだ。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)