類まれな才能に恵まれ、若手女性ポップ・シンガーが台頭するこのミュージック・シーンにおいても確実に異彩を放っていた、故エイミー・ワインハウス。彼女に音楽を教え、その体を常に心配し、何かと世話を焼いて可愛がって来た父の悲しみははかり知れない。
長年スウィング・ジャズを愛し、ロンドンでタクシードライバーをやっていたエイミーの父、ミッチ・ワインハウスさん(60)。幼いエイミーに歌の楽しさを教えたのはこの父であり、彼はエイミーのバックアップのもと、昨年6月には『Rush Of Love』というタイトルでついにCDデビューを果たしている。
実はミッチさん、本来であればこの25日には、ニューヨーク・ウエストビレッジの名門ジャズ・クラブ “Blue Note(写真・右下)” のステージに立つ予定であった。この通り立派なパンフレットも準備されていたが、エイミーの23日の急逝により無念のキャンセルとなってしまった。
エイミーは、その死で父ミッチさんを悲しみのどん底に突き落とした上に、彼がジャス・シンガーとして名を馳せるせっかくのチャンスを奪ってしまったのだ。
ミッチさんはエイミーで夢を見て、笑って、苦しんで、そして今は涙に暮れている。娘の死というあまりの悲しい出来事を乗り越えるには、信じられないほど長い年月が必要であろう。
だがミッチさんは、その歌手デビューを、プロモーションを、懸命に応援してくれていた娘の姿を忘れることは到底あるまい。どうか早く立ち直り、エイミーの分まで精一杯歌い続けて頂きたいと思う。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)