writer : techinsight

凸版印刷 企業の映像・静止画資産の総合アーカイブ構築支援サービスを開発

企業が長年蓄積してきたテレビコマーシャル、記録映像、ポスターやカタログなどは、創業から現在につながる様々な企業活動のあかしである。
それらのうち、あるものは紙資料として、あるものはビデオテープ資産やフィルムとして保管され、統合的なデジタル化は行われていない。
そこで、凸版印刷は、企業が持つ貴重なフィルム映像、ビデオテープ、ポスターなどのアナログ資産のデジタル化、修復、管理、公開を行う総合アーカイブ構築支援サービスを開発した。

紙やビデオテープ、フィルムなどの資料は多くの場合、品質が劣化していて、色あせていたり、破けていたりする。

凸版印刷では、フィルム素材などの映像修復については、パナソニック映像株式会社の持つデジタル修復技術を活用し、当時の色を再現した高品位なデジタル化を行う。

これにより、今まで難しかった企業や官公庁などの貴重な映像・静止画資産の修復や永続的な保存を可能にし、様々な災害などによる消失リスクを回避することが可能になる。

アーカイブしたデータは、新しい情報端末に対応したコンテンツや、企業ミュージアムの展示コンテンツなど様々なコミュニケーションツールに展開が可能である。

凸版印刷が長年培ってきた「印刷テクノロジー」であるカラーマネジメントを駆使して動画、写真、ドキュメント(印刷物)などの企業情報資産を最適なコンディションでアーカイブ、デジタル化から管理、公開までをワンストップで運用、支援する。

さらに、「リッチコンテンツによる公開サービス」として、保存されたデータは、スマートフォン・タブレットPCなどの新情報端末向け配信用データ変換サービスや、Web・企業ミュージアムでの公開ハイビジョンコンテンツ、2D-3D変換による立体コンテンツ制作、さらに年史・記念誌などのドキュメントサービスなどに流用できる。

たとえば、画像・映像などのコンテンツに、社史を加えつつ、当時の世相や重大ニュースなどを取り交ぜた、ヒストリカル・コンテンツとして販売するという使い方はどうだろうか。

伝統ある企業にとっての「企業価値」は、モノや金だけではなく、文化貢献の歴史までをも含むと考えてよいだろう。また、近年の昭和ブームの中で、特定の企業に特化したコンテンツ提供が、新たなビジネスチャンスを生む可能性もある。

価格は、デジタル修復が16mmフィルム30秒(CM)で2万円から (100本の場合)、総合アーカイブサービスは月額80万円から (初期カスタマイズ費用などは別途)となる。

サービスは、2011年6月下旬から提供開始される。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)