大音響の中で働く人々にとって、決して他人事ではないと恐れられているのが「難聴」である。伝説のロックバンド「Queen」のドラマー、ロジャー・テイラー(61)がこのほど難聴の苦悩を告白した。
毎日、何時間もドラムを叩いてもう40年超というテイラー。そうした環境から難聴になってしまい、普段の会話にも補聴器が必要であることを英紙「Sunday Express」とのインタビューで明らかにした。
「職業柄、難聴は避けようがなかったと思っているよ。コンサートの大音響はもうハンパじゃないし、そんな中で僕はドラムをバシャン、バシャンぶっ叩くわけだ。繊細な内耳の神経は相当なダメージを受けていたんだろうね。」
「特に深刻なのは左耳だ。最も叩くスネアドラムがあるし、ステージではいつも自分の左側にモニターが置かれていたからね。そのうち、映画を見てもディナーやパーティーといった人の集まりでも、人の話がうまく聞き取れなくなって来た。イライラしながらも、僕はいつしか人の唇の動きから内容を理解するようになっていたよ。」
自分の耳が遠くなっていることに気付いてはいたが、認めたくないまま長い年月が経過していたというテイラー。交際6年で昨年10月に再婚した妻のサリナさんから「テレビのボリュームが大きすぎる」と幾度も指摘を受け、ようやく難聴を認め医師に相談したそうだ。
ロック等のコンサート、クラブ、カラオケ、ボリュームを上げたイヤホンなど理由は色々とあるはずだが、「急性音響性難聴」を経験した人は私の周りでも実に多く、翌日に自然治癒していない場合は突発性難聴と同様の治療が必要になるそうだ。また治っても、再発により聴力は確実に失われて行くというから恐ろしい。
イヤホンのボリュームを上げ過ぎない。大音響のスピーカーの前であれば、耳栓あるいは小さく固く丸めたティッシュを耳に突っ込んでおく。ロック・コンサートの前日は睡眠をたっぷり取り、必要以上に頭や体を揺すらない。これらが「急性音響性難聴」の予防策だという。「若いから全然ヘーキ」などとおっしゃらず、どうか皆さんも耳を大切に…。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)