チャリティー基金も、法廷闘争で揺れそうだ。アフリカの貧しい子供達の教育支援活動を行うマドンナが、彼女の運営する児童支援団体の元従業員から訴訟を起こされていたことが分かった。また以前より組織の杜撰な資金運営が問題視されてきたが、児童のための教育支援計画も頓挫したことを受け、既に税務署では調査に乗り出している。
今週の月曜日、マラウイの裁判所に訴えを起こしたのは、マドンナが設立した支援団体「Raising Malawi」で働いていた元従業員8人。リストラを巡り解雇された彼らは、マドンナに対して賃金未払いと労働環境の保障を要求している。従業員達の担当弁護士は「最終的には裁判所が決めることになるだろう」と詳細なコメントを避けながらも、「この元従業員達は、無理やり仕事を辞めさせられるという差別的な扱いを受けた」とする声明を発表した。
元従業員側の主張によれば、「Raising Malawi」が女子学生を対象に実施する奨学金の計画が頓挫したことを受け、解雇されてしまったという。
このマドンナが運営する「Raising Malawi」。もともと同基金は、マラウイの貧しい子供達を支援するために、2006年に設立されたものである。ところが、この基金の代表に任命されたマドンナの元トレーナーでもあるフィリップ・ヴァン・デン・ボッシュ氏の放漫な資金運営が問題視されてきた。
同基金では、車やオフィス、ゴルフなどへ湯水のようにお金を注ぎ込んでいたことから、その結果、奨学金などをはじめ、380万ドルをかけて貧しい子供達のための学校を立ち上げる計画も失敗することになる。このため運営方針の転換を余儀なくされ、訴えを起こした元従業員達をリストラすることになった。
そして、このような杜撰な資金運営による失敗を受けて、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)も調査に乗り出したという報道も出ている。ただしどの程度、調査が進められているのかは明らかにされていない。
一方のマドンナ側も、訴えを起こし法廷で応戦するのではないかと見られている。しかし現在のところ、彼女自身から今回の件に関するコメントはまだ出されていない。
(TechinsightJapan編集部 クローン中山)