イタすぎるセレブ達

writer : techinsight

【イタすぎるセレブ達】俳優マット・デイモン、オバマ大統領を批判。「大いなる希望もうない」

08年の大統領選挙戦から今まで、一貫してバラク・オバマ米大統領(49)を公に支持してきた俳優マット・デイモン(40)。しかし、TVトークショーで現在のオバマ大統領の政治展開について意見を聞かれ、「大いなる希望はもうない」などと、大統領の著書のタイトルにかけて批判した。

新作映画『アジャストメント』(5月日本公開予定)では、米議会上院議員に立候補する若き政治家を演じたマット・デイモン。将来は大統領の座も有望視されているという設定で、支持者集会での演説シーン、握手シーンなどでのデイモンの堂々とした演技が、ホンモノの政治家と見紛うばかりと評判だ。

ハーバード大学を中退するも、以前から政治に関心の高かったデイモンは、08年の大統領選挙戦では早くからオバマ候補への支持を表明。資金集めパーティに出席し「オバマ選出でアメリカを変革しよう」と熱のこもった応援演説を行ったり、支持者集会にも足を運んでいた。

しかしその彼のオバマ熱も、とうとう冷めはじめたようだ。3日、CNNのトークショー「ピアース・モーガン・トゥナイト」に出演した際、デイモンはオバマ大統領の政治運営について満足しているかどうか聞かれ、迷いなく「満足していない」と即答した。

「オバマ大統領は、与えられた権限や人々の信任を、誤って理解していると本当に思う。これはグレートな言い方だと思うんだけど、僕の友人の一人が、ある日こう言った。(オバマ大統領の自伝『合衆国再生―大いなる希望を抱いて』にかけて、)“オレはもう大いなる希望を持てない”とね。」とかなり手厳しい。

デイモンがまず不満な点は、アフガニスタン政策。「アメリカのアフガニスタンにおける使命が、よく言葉で説明されていない。きちんと説明があれば、アフガン侵攻の意義と何をすべきかについて、国民が考え方を組み立て直せる。」また、年初定例の一般教書演説で「貧困」について取り上げなかったことについて「世界に貧困に苦しむ人は何百万といるが、彼は“貧困”という単語すら使わなかった。」と不満をもらす。さらに教育政策についても、子供達がどれだけテストで良いパフォーマンスをするかで、教師のサラリーをコントロールするような現在のやり方では、良い教育は生まれないと語る。

デイモンはオバマ大統領が「深く物事を考える人」だと評価した上で、「もっと多くのことを期待していた」と、その仕事への失望を明言。それなら自分が政治家になる気はある?という問いについては、「俳優の仕事が好きで、映画が好き」なので、立候補する意思はないことを明らかにした。

実際デイモンのように、これまでオバマ大統領の支持を続けて来たハリウッドスターが一転し、失望を公言するという状況がこのところ相次いでいる。歌手で女優のバーブラ・ストライサンド、俳優ロバート・レッドフォード、『glee』女優のジェーン・リンチ、またプレイボーイ誌創刊者のヒュー・ヘフナーといった面々がその例だ。デイモンは、昨年からすでにオバマ大統領への失望感を口にはしていたが、「彼にはもっと時間が必要」とオチをつけ擁護していた。しかし、ここに来てオチのない失望感に行き着いたようだ。

ハリウッドスターがメディアで失望感を公言することは、国民の世論形成への影響力も大きいだけに、再選挙を来年11月に控えたオバマ大統領にとっては、何とも頭の痛いことであろう。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)