イタすぎるセレブ達

writer : techinsight

【イタすぎるセレブ達】セリーヌ・ディオンのカナダ人ボディーガード、米国永住ビザ取得難航。「ボディーガードは特殊技能ではない」

スターをひと目見ようと押し寄せるファンや危険なパパラッチを遠ざけ、クライアントを安全に次の仕事へエスコートする…。セレブの安全な毎日を守るのには欠かせない存在のボディーガードだが、合法的な米国ビザが下りないとなると、仕事そのものができなくなる。歌姫、セリーヌ・ディオンが全幅の信頼を置くカナダ人ボディーガードが、このビザ問題に悩んでいる。米国土安全保障省に「ボディーガードは永住権に値する特殊技能ではない」と、永住ビザ発行を拒否され、上訴しているのだ。

セリーヌ・ディオンがラスベガスでの3年契約に及ぶ公演再開のため、現地入りしたことは先日お伝えした通り。もちろん、クライアントのセリーヌの警備のために、共に移動するカナダ国籍のボディーガード、ニコラス・スココスさん(写真左)も一緒にベガスに入った。公演の行われる「シーザーズ・パレス・ホテル」での記者会見でも、セリーヌ一家を壇上左側から見守る、勤務中のスココスさんの姿が見える。迫力のある坊主頭にごつい体格、ダークスーツをびしっと着こなした「こわもて」の彼。押し寄せるファンの波を押さえつつ、右側の列に怪しい者がいないかどうかジロリとにらみを利かす、すごみの利いたボディーガード。大所帯のセリーヌ一家に、指一本とも触れさせないという、気合いの入った警備の様子が見てとれる。

実はこのスココスさん、米国内に合法的に住めるよう特別な永住権ビザを申請していたが、それが却下されてしまったため、もう一度ビザ取得を検討してもらえるよう、米国連邦第9巡回控訴裁判所に上訴していた。

外国人が米国内に合法的に滞在する永住権(グリーンカード)を手に入れるためには、アメリカ人との結婚、抽選によるくじ、難民申請など様々なやり方があるが、スココスさんが申請していたのは「特別な才能を持つ外国人」への永住権枠。これは科学者やアーティスト、アスリートなどにグリーンカードを与える特別枠だが、スココスさんの「ボディーガード」もしくは「セキュリティーコンサルタント」という職業は「特別な才能ではない」という判断が下った。米国土安全保障省ではノーベル賞やアカデミー賞受賞者、ランク入りしたプロゴルファーなどがこの「特別な才能」に当たるとしている。

スココスさんの弁護士は「スココス氏が、歌姫セリーヌ・ディオンに提供しているサービスと警備のエキスパートとしての専門知識は、卓越している」と主張。スココスさんの年俸が、他のボディーガードの平均年俸の4倍以上である約9万ドル(約740万円)と破格であることも挙げて、この「特殊才能」を認めるべきだとしている。

しかし大スター、セリーヌ・ディオンの側近だからといって、特別に永住権を与える必要はない、という見方もある。スココスさんの弁護士は「ニューヨーク・タイムズ」紙に対し「彼が仕事をきちんとやっているから、表に出ないだけ。もしもセリーヌへの警備が失敗していたら、その時だけ人々の間で彼の名前が有名になっていただろう。」とコメントし、ボディーガードという仕事の特殊性、そしてスココスさんの優秀さを主張している。双子の赤ちゃんが加わって、家族内に警備される対象も増えたセリーヌ。彼女が安心して仕事ができるように、スココスさんのビザ問題が早期解決すればいいのだが…。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)