TVドラマ「サマンサ Who?」などで知られる女優のクリスティナ・アップルゲイト(39)が、08年の乳がんによる両乳房切除を乗り越え先月、第一子となる女児を出産した。このほどTVのトークショーで、感動であふれた分娩の様子を初めて明らかにした。
クリスティナとオランダのミュージシャン、マーティン・レノーブル(41)は2年の交際の末、昨年のバレンタインデーに婚約。二人の間には先月27日、女児が誕生し、セイディー・グレイスと名付けられた。クリスティナはこのほど「エレン・デジェネレス・ショー」に出演し、18時間も分娩が続いたことを明かした。「エピデュラル(硬膜外麻酔)による無痛分娩を計画していたんだけど、あの麻痺した感覚が嫌で気味が悪かったものだから、途中で取りやめたの。というより、偶然取りやめになったのよ。だから深い深い痛みを経験したわ。」
クリスティナは08年に発症した初期段階の乳がんのため、両乳房切除を受けている。片側の乳房だけのがん発症だったものの、思い切って両側乳房切除術に踏み切った。その理由は、母も乳がんとその再発に苦しんでおり、クリスティナ自身も「BRCA1」という乳がんの遺伝子を母から受け継いでいることだった。「数か月ごとに再発していないか検査に訪れるのはいやだったから、乳房のすべてを取り除いてしまいたかった。」とクリスティナ。フィアンセのレノーブルは、彼女が辛い手術から回復する際に大きな支えとなった。
そして二人の愛の結晶、セイディー・グレイスちゃんがこの世に生を受けた瞬間、クリスティナは分娩室で思わず身につけていたガウンを裂き、普段は見せない乳房切除後の胸をあらわにしてしまったという。「私の胸はとてもプライベートなもので、いままで良い関係を持てなかったと言える場所。でも赤ちゃんが出て来た瞬間、もうガウンを胸からひきちぎっちゃった。部屋一杯の知らない医者や看護師の前でよ。そしてこの胸に我が子を抱いたの。それは今までの人生で最高の瞬間だったわ。」
クリスティナは奇跡の出産が自分を変えた、と「People」誌に語っている。「これまであの言葉(乳がん)について、いつもいつも語らなければならなかったけれど、もう沢山。他の言葉について語りたい。でも今は“母”という言葉を語れる。娘が私を癒やしてくれ、私の魂を開いてくれたのよ。」娘の誕生で乳房切除手術後、固くガードしてきた彼女の心も解き放たれたといえる。辛い過去を乗り越えて幸せを手に入れたクリスティナを、心から祝福したい。おめでとう!
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)